リンクアグリゲーション

リンクアグリゲーション

 リンクアグリゲーション (Link Aggregation) は、複数の物理的なネットワークリンクを一つの論理リンクにまとめて、帯域幅を増やす技術です。この技術により、ネットワークのパフォーマンスを向上させることができます。

リンクアグリゲーションには、以下の2つの方式があります。

  1. Static Link Aggregation
     静的リンクアグリゲーションは、手動で設定する必要があります。この方式では、ポートの速度、モード、VLANなどを一致させる必要があります。静的リンクアグリゲーションは、一度設定されると、自動的に動的リンクアグリゲーションに変更することができません。
  2. Dynamic Link Aggregation
     動的リンクアグリゲーションは、LACP(Link Aggregation Control Protocol)と呼ばれるプロトコルを使用して、自動的に設定されます。この方式では、各ポートのリンク状態やスピードなどが自動的に検出され、自動的に設定されます。

 リンクアグリゲーションは、ネットワークの可用性を向上させるためにも使用されます。例えば、複数の物理リンクがあり、一方のリンクが故障した場合でも、残りのリンクで通信を継続することができます。

リンクアグリゲーションの利点としては、以下のようなものがあります。

  1. 帯域幅の拡張
     複数のリンクを束ねることで、複数の物理リンクの帯域幅を1つの論理リンクとして利用できます。これにより、より高い帯域幅が得られるため、データ転送速度を向上させることができます。
  2. 高い可用性
     1つの物理リンクに障害が発生しても、他のリンクが引き継ぐことができるため、ネットワークの可用性が向上します。これにより、ネットワークの停止時間を最小限に抑えることができます。
  3. コスト削減
     リンクアグリゲーションを使用することで、帯域幅の増加に必要なコストを削減することができます。複数の物理リンクを使用することで、より高い帯域幅が得られますが、コストは1つの高速リンクを使用する場合よりも低く抑えることができます。
  4. 簡単な管理
     リンクアグリゲーションを使用することで、複数の物理リンクを単一の論理リンクとして管理することができます。これにより、ネットワークの管理が簡単になります。

ただし、リンクアグリゲーションを使用する場合は、以下のような注意点があります。

  1. デバイスの互換性
     リンクアグリゲーションを使用する場合は、デバイスの互換性を確認する必要があります。異なるメーカーのデバイスを使用する場合は、リンクアグリゲーションがサポートされているかどうかを確認する必要があります。
  2. 設定の複雑さ
     リンクアグリゲーションを使用する場合、設定が複雑になる場合があります。特に、異なるプロトコルを使用する場合は、設定に注意する必要があります。
  3. ネットワークの変更
     リンクアグリゲーションを使用する場合、ネットワークの変更が必要になる場合があります。たとえば、新しいデバイスを追加する場合や、リンクの数を追加する場合には、注意が必要です。

 Link Aggregation Control Protocol (LACP) は、複数の物理ポートを束ねて 1 つの論理ポートとして使用するためのプロトコルです。LACP を使用することで、ポートチャネルを構成してリンクの冗長性と帯域幅を拡張できます。

 LACP は、複数のデバイスの間で物理ポートを束ねたポートチャネルを構成することができます。LACP は、ポートチャネルを構成するデバイス間で情報を交換し、各ポートが正常に動作しているかどうかを確認します。ポートチャネルが構成された後、デバイスは複数の物理ポートを 1 つの論理ポートとして使用することができます。

 LACP によるリンクアグリゲーションでは、アクティブポートとパッシブポートの 2 つのモードがあります。アクティブモードの場合、LACP がパケットを送信し、ポートチャネルを形成するように要求します。パッシブモードの場合、LACP はパケットを受信し、ポートチャネルが形成されるように応答します。アクティブポートとパッシブポートの組み合わせによってポートチャネルが形成されます。

 LACP は、スイッチ間でのポートチャネルの構成に広く使用されています。複数のスイッチを使用して大規模なネットワークを構築する場合、ポートチャネルを使用することで、冗長性を高め、帯域幅を増やすことができます。