VRRPを設定する(その3)

の続きです。

 「VRRPを設定する(その2)」では、インターフェイスに障害が起こっても、バックアップルータが、マスタルータの役割を引き継ぎませんでした。

 VRRPでは、インターフェイスに障害が起こった場合に、その状態を検知して、マスタルータの役割を、バックアップルータに引き継がせる設定が必須になってきます。

この機能は、「ADD VRRP MONITOREDINTERFACE」コマンドで設定します。

コマンドを少しおさらいしておきましょう。

ADD VRRP=vr-identifier MONITOREDINTERFACE=vlan-if [NEWPRIORITY=1..254]

vr-identifier: バーチャルルーターID(VRID。1~255)
vlan-if: VLANインターフェイス(VLAN-nameかVLANvidの形式。nameはVLAN名、vidはVLAN ID)

 を監視対象インターフェイスを指定します。監視対象のVLANインターフェイスがダウンすると、バーチャルルーターの優先度が引き下げられます。監視対象インターフェイスが再びアップしたときは、優先度も元の値に復帰します。

 1つのバーチャルルーターに対して複数の監視インターフェイスが設定し、複数のインターフェイスが同時にダウンした場合は、最も小さいNEWPRIORITY値が採用されます。


構築するネットワークは、先程と同じく下図になります。

 VRRPは、PRIORITY(プライオリティ)値の高い方がマスタルータになります。ネットワークが正常時には、SW2がマスタルータとなり、障害時には、SW3がマスタルータになるようにプライオリティを以下の表のように設定します。

プライオリティ値のデフォルトの値は、100です。

 VLAN10側
(正常時)
 VLAN20側
(正常時)
VLAN10側
(障害時)
VLAN20側
(障害時)
SW2のプライオリティ2002009595
SW3のプライオリティ100100