スタティックルーティング

L3スイッチの機能は

L3スイッチ=L2スイッチ+(ルータ機能ーWANの機能)

と思っていただけると、L3スイッチが何者なのか、理解しやすいと思います。

 と言うことは、ルータと同じような感覚でルーティングのセッティングが行えます。もちろん、静的ルート、動的ルート(RIP、OSPF)などの設定も可能です。

ネットワークを構成する前に、「ルーティング」とは、何なのかを理解しておきましょう!

●IPルーティングとは

 ルーティングを行うためには、中継ノードがルーティングテーブルを持っていなければなりません。ルーティングテーブルとは、受け取ったパケットをどこに中継したらよいのかという経路情報で、宛先ネットワークとインターフェイスの対応付けが記されています。

 中継ノードは、受け取ったパケットの宛先ネットワークが、ルーティングテーブルで、どのインターフェイスに関連付けられているかを調べ、転送することでルーティングは成り立っています。

 そのルーティングテーブルの管理方法ですが、スタティックルーティングとダイナミックルーティングの2種類あります。

 スタティックルーティングは、管理者が手動で設定する方法です。デフォルトルートを使用しなければ、宛先ネットワークの数だけ手動で登録する必要があります。

 ダイナミックルーティングは、ルーティングプロトコル(RIP、OSPFなど)が設定されたルータ同士が、お互いに経路情報をやり取りして、ルーティングテーブルを自動的に作成し、更新します。

●デフォルトルート

 デフォルトルートとは、全ての経路を指し示す特殊な経路のことで、「0.0.0.0/0」で表します。ルータは、パケットを受け取るとルーティングテーブルを参照します。一致するエントリがないとパケットを破棄しますが、デフォルトルートが設定されている場合、デフォルトルートが指す転送先にパケットを中継します。

 全てのネットワークをルーティングテーブルで管理するのは、とても大変です。ネットワーク数は
50,000を超えているといわれています。インターネット網へのルートをデフォルトルートで定義すれば、ルーティングテーブルのエントリー数が減り、管理がし易くなります。

ここでは、LAN内は、スタティックルートで設定し、インタネット網へのルートをデフォルトルートで定義してゆきます。

まず、スタティックルートを設定するためのコマンドを把握しておきましょう!

●スタティックルートを設定するコマンド

ENABLE IP

IPモジュールを有効にする。デフォルトは無効。

ENABLE IP FORWARDING

IP転送機能(ルーティング)を有効にする。デフォルトは有効。

ADD IP INTERFACE=vlan-if IPADDRESS={ipadd|DHCP} [MASK=ipadd]

vlan-if: VLANインターフェイス(VLAN-nameかVLANvidの形式。nameはVLAN名、vidはVLAN ID)
ipadd: IPアドレスまたはネットマスク

IPインターフェイスを作成する。

ADD IP ROUTE=ipadd INTERFACE=vlan-if NEXTHOP=ipadd [MASK=ipadd]

ipadd: IPアドレスまたはネットマスク
vlan-if: VLANインターフェイス(VLAN-nameかVLANvidの形式。nameはVLAN名、vidはVLAN ID)

IPルーティングテーブルにスタティックルートを追