IPアドレスを振る

 レイヤ3スイッチは、購入時、デフォルトでは、レイヤ2スイッチとして機能するように設定されています。単なるスイッチとして利用するだけなら、電源を入れるだけで直ぐに使用できます。しかし、これでは、値段の安いスイッチと変わりありません。

 レイヤ3のスイッチですから、ルータのように使わないと、せっかく持っている機能が、宝の持ち腐れです。まず、ここでは、IPアドレスを振ってIP端末としての利用できるようにしましょう!IPアドレス振ることで、Telnetでアクセスできたり、SNMPで管理できるようになります。

1.IPモジュールを有効にします

 IPモジュールは、デフォルトでは無効です。IPモジュールを有効にすることで、IPによる設定ができるようになります。

ちなみに、IPモジュールを無効のままで、設定しようとすると警告が表示されます。

Manager > add ip int=vlan-default ip=192.168.1.10 mask=255.255.255.0

Warning (205267): The IP module is not enabled.

それでは、IPモジュールを有効にします。

●ENABLE IP


Manager > enable ip

Info (105287): IP module has been enabled.

2.IPアドレスを設定する

 ルータだと、物理インターフェイス(Ethernet、Serial)にIPアドレスを設定するようになるのですが、レイヤ3スイッチは、VLANにIPアドレスを設定するようになります。

まず、スイッチにどのVLANが存在するか調べてみましょう!

スイッチ上に設定されているVLANを確認するには「sh vlan」コマンドを使います。

●SH VLAN

Manager > sh vlan

 VLAN Information
---------------------------------------------------------------------------
 Name ............... default
 Identifier ......... 1
 Status ............. static
 Untagged ports ..... 1-24
 Tagged ports ....... None
 Spanning Tree ...... default
 Trunk ports ........ None
 Mirror port ........ None
 Attachments:
 Module           Protocol         Format    Discrim     MAC address
 -------------------------------------------------------------------
 GARP             Spanning tree    802.2     42             -
 -------------------------------------------------------------------
---------------------------------------------------------------------------

 すべてのインターフェイスがdefaultと言う名前のVLAN1に所属しているのが分かります。初期状態では、全てのポートがVLAN defaultに所属しています。

IPアドレスを割り当てるには、次のコマンドを使います。

ADD IP INTERFACE=vlan-if IPADDRESS={ipadd|DHCP} [MASK=ipadd]

vlan-if: VLANインターフェイス(VLAN-nameかVLANvidの形式。nameはVLAN名、vidはVLAN ID)
ipadd: IPアドレスまたはネットマスク

 「ADD IP INTERFACE」コマンドのオプションは、たくさんあるのですが、IPアドレスを振るだけであれば、上記だけで十分です。

それでは、IPアドレスをインターフェイスに割り当てます。

●ADD IP INTERFACE

Manager > add ip int=vlan-default ip=192.168.1.10 mask=255.255.255.0

Info (105275): interface successfully added.

3.デフォルトルートを設定する

 別のネットワーク(サブネット)からアクセスするのであれば、デフォルトルートの設定も必要になります。デフォルトルートは、静的ルートの一種です。宛先ネットワークを「0.0.0.0」、サブネットマスクを「0.0.0.0」に指定します。

ADD IP ROUTE=ipadd INTERFACE=vlan-if NEXTHOP=ipadd [MASK=ipadd]

ipadd: IPアドレスまたはネットマスク
vlan-if: VLANインターフェイス(VLAN-nameかVLANvidの形式。nameはVLAN名、vidはVLAN ID)

●ADD IP ROUTE

Manager > add ip route=0.0.0.0 mask=0.0.0.0 int=vlan-defauult nexthop=192.168.1.2
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Info (105275): IP route successfully added.

次回起動時も同じ設定が有効になるように、設定ファイルを保存して、起動スクリプトとして指定しておきます。

Manager > create config=test01.cfg

Info (149003): Operation successful.

Manager > set config=test01.cfg

Info (149003): Operation successful.

 ちなみに、全てのポートがVLAN1に所属しているので、PORT2に端末を接続しようが、PORT10に接続しようが、Ping可能です。