OSPF(マルチエリアOSPFとは_その6)

の続きです。

 シングルエリアOSPFについては、前のOSPFを紹介するコンテンツで構築してみました。OSPFは、RIPやIGRPなどのディスタンスベクタールーティングプロトコルと比べ、大規模なネットワークを構築することができます。

しかし、ネットワークの規模が大きくなってくると、問題が浮かび上がってきます。

 そもそも、OSPFは、最短パスを求めるのに計算にダイクストラのアルゴリズムを使用するルータへの負荷がとても高いルーティングプロトコルです。ルータのCPUやメモリ資源をかなり消費します。ネットワークの規模が大きくなると、ますます、ルータへの負荷が高くなってしまいます。

 また、ネットワークの規模が大きくなるということは、障害やネットワークの変更が発生する可能性が高くなるので、頻繁にSPF(最短経路優先)の再計算が必要になってきます。

 さらに、ルータの数も増えることになりますから、トポロジーデータベースを構築するためにルータ同士が交換しているLSAの数も増えてしまします。

 そこで、OSPFでは、ネットワークの規模が大きくなると、下の図のように、ネットワークを複数のエリアに分割してマルチエリアで、ネットワークを構築します。

 OSPFネットワークでは、小さなネットワークを1つのエリアとして設定し、複数のエリアをエリア0(バックボーン)に接続することで、ネットワークを階層構造に構築することができます。このように、1つのネットワークを複数のエリアに分割し、各エリア内とエリア間のルーティングとに分けてゆく方式を「階層型ルーティング」と呼んでいます。

 このエリアを定義する設計アプローチによって、LSAが届く範囲を分割することができ、