VLAN(トランク・タギング)

複数のスイッチにまたがるVLANを作成する場合は、どうすればいいのでしょうか?

例えば、VLAN10、VLAN20、VLAN30を2台のスイッチで作成する場合を考えてみます。

トランクポートを設定しない場合は、下の図のようなネットワーク構成になります。

<トランクを使用しない場合の構成>

 複数のスイッチにまたがってVLANを設定するとケーブリングも煩雑になってしまいますし、スイッチ間の接続で、たくさんのポートを失ってしまうことになります。

ポート数は、スイッチ間の接続で

VLANの数 × 2

のポートを失ってしまうことになります。

トランクポートを設定する場合、下の図のような、ネットワーク構成になります。

<トランクを使用した場合の構成>

 トランクポートを設定すると、1本のケーブルに複数のVLAN情報を伝送することができます。煩雑だったケーブリングもすっきりし、スイッチ間の接続で失ってしまうポート数も減り、ポートの使用効率が高くなります。

トランクを設定するには、複数のVLAN情報を伝送したいポートにトランクポートの設定を行います。

トランクを使用するには、トランキングプロトコルであるISL、もしくは、IEEE802.1Qを使用します。

ちなみに、ISLは、Cisco独自のプロトコルです。

ISLのフレームフォーマット

 ISLは、EthernetフレームをISLでカプセル化を行い、ISLヘッダ内の「VLAN ID」フィールドで、どのVLANからのフレームであるかを識別しています。

<Ethernet フレーム>

<ISL フレーム>

IEEE802.1Qのフレームフォーマット

 IEEE802.1Qは、Ethernetフレームの内部にタグを埋め込みます。この埋め込んだタグを見て、どのVLANからのフレームであるかを識別しています。

<Ethernet フレーム>

<IEEE802.1Q フレーム>

トランクの設定を行う際には、スイッチがどのトランキングプロトコルをサポートしているか把握しておきましょう!

Catalyst1900 ・・・ ISLのみサポート
Catalyst2900XL ・・・ ISL、IEEE802.1Q
Catalyst2950 ・・・ IEEE802.1Qのみサポート

 インテリジェントスイッチの両側で同じトランキングプロトコルを使用する必要があるので注意が必要です。例えば、Catalyst1900とCatalyst2950では、共通でサポートするトランキングプロトコルがないので、トランク接続できないので注意してください。