自宅でネットワークを構築する

 各家庭のインターネット接続は、もはや、FTTH(光ファイバ)に代表されるブロードバンド接続が当たり前の時代です。また、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットも各個人が所有する時代に突入しています。つまり、家庭内でインターネットに接続する必要のある端末が複数台になっています。

 また、テレビなどの家電もインターネットに接続しなければなりませんし、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機だってインターネットに接続してシステムやゲームソフトウェアをアップデートしたり、ネット対戦したりするのが、当たり前になっています。

 そうです。何でもかんでも、インターネットに接続する。そんな、時代に変わりました。そこで、各家庭で問題になってくるのは、複数のネットワーク端末をネットワークに接続するために家庭内でLANを構築しなければならなくなったということです。

 1台のパソコンをインターネットに接続するのに四苦八苦していた方、業者の人に設定してもらっていた方にとって家庭でLANを構築するのは、少々敷居が高い作業になると思います。

 スポーツには、約束事(ルール)があります。プレーする人全員がルールを覚えていなければ、試合が成り立ちません。野球で例えるとすると、ボールはバットで打たなければ、なりませんし、ボールを打ったら、右回りでベースを踏みながら走らなければなりません。

 ネットワークも同様です。約束事(プロトコル)の塊で、その約束事が1つでも違うと通信できないのです。家庭内でLANを構築するためには、たくさんある約束事を理解して設定してやらなければなりません。設定を1つでも間違えると、通信できないのです。

こんな風に書くと、初心者の方は、家庭でネットワークを構築するのは、

「自分には、ちょっと無理なのでは?」って思われるかもしれません。

 しかし、ここであきらめないで下さい!今は、一昔前と違って、とっても簡単に設定できる機能が、家庭用のブロードバンドルータには、用意されています。特に、こだわったネットワークの利用をしないのであれば、難しい設定は、必要ありません。

 ただし、アドバイスできるとすれば、ネットワークの機器は、なるべく同じメーカの製品をそろえた方が、トラブルも少なく設定も簡単です。基本的には、どのメーカーの機器も相互接続できますが、他メーカー同士の機器の接続は、初心者の方にとって設定の難易度が、ものすごく高くまります。

 設定に便利な機能は、各メーカーの独自機能だったりする場合が多いので、これらの機能を活用するために同じメーカーの製品で機器を揃えておいた方が後々、設定作業が楽になります。そのため同じメーカーの製品を揃えておくことをオススメします。

 家庭のネットワーク構築は、もはや日曜大工のレベルになってきています。ホームセンターなどでもネットワーク構築に必要な、工具だったり、ケーブルやケーブル配線を隠すモールも売られています。

 本当に、一昔前に比べると、ネットワークの設定は驚くぐらい、簡単にできるように各メーカーは工夫しています。一昔前は、ルーターなどのネットワークの装置は、非常に高価でな装置でしたが今では、1台、数千円で購入できます。

 ネットワークの規模にもよりますが、1万円~2万円ぐらいの予算で構築することができるようになりました。そういった意味で、気軽に、家庭内LANの構築を挑戦できるようになっています。

 業者にネットワーク構築を依頼するとトラブルは少なくなりますが、とても高くつきます。しかし、自分でホームネットワークを構築すると購入する装置代だけで済みます。四苦八苦しながら、ネットワークを構築するのは、結構楽しいものです♪

家庭でネットワークを構築する方法には、

  • 有線だけで構築する方法
  • 無線だけで構築する方法 ※WAN接続部分は有線
  • 有線と無線で構築する方法
  • 屋内電源配線を使って構築する方法(電力線搬送通信(PLC)で構築する方法)

があります。

 インターネットに接続する機器を置く場所が1箇所に集中している場合や、比較的狭いエリアだけネットワーク接続すればよいケースであれば、「有線で構築する方法」、「無線だけで構築する方法」で十分です。

 しかし、マンション・一軒家で、家中のどの部屋からでも、1階、2階だろうが関係なく家中でインターネット接続できるようにネットワークを構築しようと思うと、「有線だけで構築する方法」、「無線だけで構築する方法」では、家の隅々までネットワークを行き渡らせるのは難しいかもしれません。場所によっては、PLCを利用するケースも出てくるでしょう。

 テレビもデジタルテレビ放送の双方向サービスの視聴者参加型の番組を楽しむためには、インターネットに接続しなければなりませんし、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機だってインターネットに接続した方が、より楽しく遊べるようになっています。

 そういった意味でも、有線で接続するタイプの機器、無線で接続するタイプの端末をどの部屋に配置してもインターネットに接続できるLAN環境を家庭内に構築しておいた方が、後々、ネットワーク端末が家庭内に増えた場合に対処しやすいです。

それぞれの特徴をまとめてみると以下のような感じです。

構築方法メリットデメリット
有線だけで構築コスト安・部屋(フロア)をまたがる配線が困難
・無線接続機能しか持っていない端末を接続できない。
無線だけで構築コスト高・有線機器にくらべると無線機器は高価
・無線機能を持っていない端末は、別途無線機能を持たせるための装置を取り付ける必要がある。

 有線で構築するとなると、部屋から部屋への配線がとても大変です。壁に穴を開けたり、天井に穴を開けて天井伝えで配線しなければなりません。その際、天井まで伸ばしてむき出しになったケーブルが見た目が悪いので、モールで隠さないと不細工です。

下の図は、壁の配線をモールで目隠ししている写真です。

 管理人の家の場合、FTTHなので、光ファイバの引き込み部分だけ、壁に穴を開けています。穴を開けてるといっても、エアコンの室外機用の穴に通しているのでLAN工事で空けた穴は0個です。

 有線接続の場合、部屋から部屋へを配線は、基本的に壁に穴を開けて隣の部屋に配線するか、天井裏を通すようになるので家中をLAN配線するとなると大変だけなら、まだ、ましですが、見た目が悪くなってしまいます。

そこで、オススメするのは、コストパフォーマンスに優れる『有線と無線で構築する方法』です。

もし、電波状態の悪い、コンクリートマンションなどでは、「屋内電源配線を使って構築する方法」も選択肢に入れると良いでしょう。

 部屋から部屋、フロア間の接続を無線にすれば、配線周りがすっきりします。また、全ての端末(PC・家電・ゲーム機)が無線LAN機能を持っているわけではありません。端末によって、有線接続タイプなのか、無線接続タイプなのかまちまちです。無線と有線を組み合わせて構築すると後々、追加端末が増えた際に柔軟性があると言う意味で『有線と無線で構築する方法』をオススメします。

イメージ的には、下の図のようになります。

 無線LANネットワークを構築すると言っても、ADSL回線なら、電話線の引き込み口あたり、FTTH回線であれば、光ファイバケーブルの引き込み口辺りに、無線ブロードバンドルータを設置するだけです。

 最近は、無線ブロードバンドルータの性能がよくなっているので、家中で無線LAN接続でインターネットを利用するだけでよいのであれば、1台設置するだけで十分、家中の無線端末からの接続をカバーできるこのも多いでしょう。