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演習ファイルのダウンロード

 ネットワークの構成を Packet Tracer で一から設定していくのは大変かと思います。「ダウンロード」から演習で使用するファイルのダウンロードができます。ファイルは、McAfeeインターネットセキュリティでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。

DHCPv4サーバとDHCPリレーの設定(その1)

 DHCPリレー機能を使用すれば、ルータを超えた先のDHCPv4サーバからIPv4アドレスの払い出しを受けることができます。

DHCPv4サーバとDHCPリレーの設定

ここでは、CiscoルータにDHCPリレー機能を設定していきます。

ネットワークは、下図の通りです。

DHCPv4サーバは、Ciscoルータで代用します。

基本設定

まず、R1ルータ、R2ルータ、R3ルータの基本設定を行います。

基本設定は以下の通りです。

R1ルータにデフォルトルートも忘れないように設定しておきましょう。

R1(config)#ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.2.1

●R1のコンフィグ
hostname R1
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.2.1
int g0/0
ip address 192.168.2.2 255.255.255.0
no shutdown
exit

●R2のコンフィグ
hostname R2
int g0/0
ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
no shutdown
int g0/1
ip address 192.168.2.1 255.255.255.0
no shutdown

●R3のコンフィグ
hostname R3
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.1.1
int g0/0
no shutdown

DHCPv4 プールの作成

 DHCPv4サーバの設定を行うには、まずプールを作成する必要があります。「ip dhcp pool」コマンドで、プール名を指定します。

 指定したプールのアドレスの範囲を指定し、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバ、WINSサーバなどを指定します。

Router(config)#ip dhcp pool { プール名 }
Router(dhcp-config)#network { ネットワークアドレス } { サブネットマスク }
Router(dhcp-config)#default-router { デフォルトゲートウェイのIPアドレス }
Router(dhcp-config)#dns-server { DNSサーバのIPアドレス }

R1ルータのDHCPv4サーバの設定

それでは、R1ルータにDHCPv4サーバの設定を行っていきます。

まず、「ip dhcp pool」コマンドを入力します。プール名には「dhcppool」を指定します。

R1(config)#ip dhcp pool dhcppool

すると、プロンプトが、「Router(dhcp-config)#」に変わります。

どのような、オプションが用意されているかを確認してみます。

Router(dhcp-config)#?

以下のオプションが確認できます。

  default-router  Default routers
  dns-server      Set name server
  domain-name     Domain name
  exit            Exit from DHCP pool configuration mode
  network         Network number and mask
  no              Negate a command or set its defaults
  option          Raw DHCP options

IPv4アドレスの除外

 ネットワーク内には、ルータや各種サーバが存在します。それらのIPv4アドレスとDHCPで払い出すIPv4アドレスが重複するとネットワークが機能しなくなってしまいます。

 「ip dhcp excluded-address」コマンドを使用するとプールの中から除外するIPアドレスを設定することができます。

範囲を指定して除外する場合

Router(config)#ip dhcp excluded-address { 除外する開始IPアドレス } {除外する終了IPアドレス }

単独指定で除外する場合

Router(config)#ip dhcp excluded-address { 除外するIPアドレス }

DHCP 有効化とPOOLの設定

DHCPサービスの有効化

 まず、ルータでDHCPサービスを有効にします。ルータでDHCPサーバーを有効にするには、「service dhcp」コマンドを入力します。

 デフォルトでDHCPサービスは有効になっているため「service dhcp」コマンドを入力する必要はありませんが、ここでは、設定することにします。

R1で、以下の設定を行います。

R1(config)#service dhcp
R1(config)#ip dhcp excluded-address 192.168.1.1
R1(config)#ip dhcp pool dhcppool
R1(dhcp-config)#network 192.168.1.0 255.255.255.0
R1(dhcp-config)#default-router 192.168.1.1

●R1のコンフィグ

service dhcp
ip dhcp excluded-address 192.168.1.1
ip dhcp pool dhcppool
network 192.168.1.0 255.255.255.0
default-router 192.168.1.1

PC1の設定

PC1のIPアドレスは、自動取得にしておきます。

①「DHCP」をクリックします。

②DHCPv4サーバから、IPv4アドレスを取得するのが失敗したため、APIPAで「169.254.x.y」のアドレスが割り当てられています。

 APIPA(Automatic Private IP Addressing)とは、固定IPアドレスの設定がなく、DHCPサーバにも接続できない場合にOSが自動的にIPアドレスを割り当てる仕組みです。

 PC1からの IPv4アドレスの払出をDHCPv4サーバへ要求する DHCP DiscoverパケットがR2ルータによって遮断されたため、IPv4アドレスの取得に失敗します。

R2の設定は、次の「DHCPv4サーバとDHCPリレーの設定(その2)」で行っていきます。

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