DHCPv4の動作(その3)

ここでは、DHCPv4の冗長化における注意点を解説していきます。

同一セグメントに複数のDHCPv4サーバがある場合の問題

 IPv4アドレスを自動で取得するようにネットワークを構築している場合、DHCPv4サーバが1台だけだとDHCPv4サーバがシングルポイントフェイルとなり、DHCPv4サーバがダウンするとIPv4アドレスを自動取得するように設定された全てのクライアントがネットワークに接続できなくなってしまいます。

 DHCPv4サーバを冗長化することで、シングルポイント障害(SPOF:Single Point Of Failure)を解消できるわけですが、問題点がないわけでもありません。ここでは、その問題点について解説していきます。

 同一セグメントに複数のDHCPv4サーバがある場合、クライアントは複数のDHCP Offerを受け取ることになります。クライアントは、その中からどれか1つを選んでDHCP Requestを送ります。

 どれか1つを選ぶのだから、問題ないと思うかもしれませんが、DHCPv4サーバを複数設置する場合には、DHCPv4サーバのIPv4アドレスの払い出しに注意する必要があるのです。

 もしも、各DHCPv4サーバでIPv4アドレスをリースする範囲が重なっていた場合、リースのされ方によって、1つのネットワーク上に重複するIPv4アドレスを持ったクライアントが存在してしまうことになります。

その結果、ネットワークに混乱が生じ、うまく通信が行えなくなってしまいます。

 この問題を解決するためには、それぞれDHCPv4サーバでリースの範囲が重ならないように設定する必要があります。

 しかし、問題点もあります。それは、リースの範囲を重ならないようにIPv4アドレスプールを設定することで、利用できるIPv4アドレスが減ってしまうということです。

 DHCPv4サーバが2台の場合、IPv4アドレスプールを重ならないように半分ずつにしておかないとリースの範囲が重なってしまいますから、同時に使用できるIPv4アドレスが半分になってしまうのです。

 複数のDHCPv4サーバを設置する場合には、その辺りを考慮して、IPv4アドレッシング計画を行う必要があります。

関連コンテンツ