DHCPv4の動作(その4)

ここでは、DHCPリレー機能について解説していきます。

DHCPv4サーバの配置場所における問題

 DHCPv4クライアントは、IPv4アドレスなどの情報を払い出してもらうためにDHCP Discoverを送信します。このDHCP Discoverは、ブロードキャストです。

下図を見て下さい。DHCPv4サーバがルータを越えた先に設置されている場合はどうなるのでしょうか?

 ルータは、ブロードキャストは転送しないでブロックするため、ルータを越えた先にあるDHCPv4サーバには、DHCP Discoverが届かないことになります。

 結局、DHCPv4クライアントは、DHCPv4サーバにDHCP Discoverを届けることができないので、タイムアウトになりIPアドレスを取得することができないので、ネットワークに接続できなくなってしまいます。

 ルータによってブロードキャストがブロックされるということは、ネットワークごとにDHCPv4サーバが必要だということになります。

 DHCPv4を用いることで、せっかく、IPv4関連のパラメータの設定を自動化できても、これでは、DHCPv4サーバの台数が多くなってしまい、サーバの運用管理が大変になり自動設定のメリットが半減してしまいます。

 DHCPv4サーバを立てたらほったらかしというわけには、ゆきません。OSのアップデートも必要ですし、台数が増える分、動作不良や故障の発生回数も増え、メンテナンスも必要です。

 1台のDHCPv4サーバでネットワークごとに自動配布し集中管理できると、管理的にもコスト的にもメリットが大きいですよね!

 そこで、「DHCPリレーエージェント」という機能が用意されています。この機能を用いることで、DHCPのブロードキャストの要求を中継できるようになります。

DHCPリレーエージェント

 ルータは、ブロードキャストを転送しないでブロックするため、ルータを越えた先にあるDHCPv4サーバにメッセージを届けることができません。

この問題を解決するには、DHCPのブロードキャストの要求を中継する必要があります。

 この送られてきたDHCPv4クライアントからの要求を受け取って、別のネットワーク上のDHCPv4サーバに中継する機能のことをDHCPリレーエージェントと呼びます。

この機能を用いることで、ネットワークごとにDHCPv4サーバを設置せずに済むようになります。

この機能をネットワークに実装するには、いくつか方法があります。

1つ目は、DHCPのリレーを行うサーバを用意する方法です。

2つ目は、ルータにリレーエージェントの設定を行う方法です。

 いずれの方法においてもDHCPv4サーバのIPv4アドレスを登録します。するとDHCPリレーエージェントはブロードキャストでやってきたDHCPのメッセージをユニキャストに変換して、DHCPv4サーバに中継するようになります。

 このDHCPリレーエージェント機能を利用すれば、ルータによってネットワークが分割されていても1台のDHCPv4サーバでIPアドレスなどのネットワーク情報の自動設定を行うことができるようになります。

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