DHCPv4の動作(その2)

ここでは、DHCPv4の動作の流れを解説していきます。

DHCPv4の動作

DHCPv4の動作の流れは、下図のように行われます。

1.DHCP Discover

 クライアントはブロードキャスト「255.255.255.255」で、IPv4アドレスを割り当てるように要求を行います。

2.DHCP Offer

 この要求を、DHCPv4サーバは受け取り、送信元に「このIPアドレスはどうですか?」という提案(DHCP Offer)を送ります。この時、宛先MACアドレスには、送信元クライアントのMACアドレス宛てに送信します。

3.DHCP Request

 クライアントは、DHCP Offerで受け取った提案で良ければ、「その情報を使わせて下さい」という申請(DHCP Request)をブロードキャストします。

4.DHCP ACK

DHCPv4サーバは、クライアントに承認(DHCP ACK)メッセージを送信します。

 この流れを見て不思議に思うかもしれません。クライアントはDHCP Offerを受け取って、なぜ、すぐにその情報で設定しないのかということです。

 これは、複数のDHCPv4サーバが存在している状態を想定しているからです。1つのDHCP Discoverに対して、2つ以上のDHCP Offerがあった場合に、クライアントがどれか1つを選んでDHCP Requestを送信できるようにする為です。

 また、クライアントとDHCPv4サーバ間では、ブロードキャストによる通信が行われます。その為、ブロードキャストを遮断するルータを超えた先のネットワークにDHCPv4サーバがある場合は、DHCPv4を利用できないという制限があります。

※ルータを超えた先のDHCPv4サーバにアクセスするには、DHCPリレーエージェントが必要になります。通常、この機能は、ルータでサポートされています。

DHCPv4(リースの更新と解放)

DHCPv4サーバが、DHCPv4クライアントにIPv4アドレスを割り当てることをリース(貸し出し)と言います。

 このリースされるIPv4アドレスは、DHCPv4サーバで定めているリース期限内だけ使用することが許されています。DHCPv4クライアントは、リース期限を越えて、IPv4アドレスを使用することは出来ません。

 そこで、DHCPv4クライアントはリース期限を越えて、IPv4アドレスを使用したい場合には、リース期限の更新の要求を行います。

 また、DHCPv4クライアントが、電源を切るなど、IPv4アドレスが不要になった場合には、下図のようにDHCP Releaseを行います。

 Windowsの場合、リース期限の半分が過ぎた時点で、IPv4アドレスをリースしてもらったDHCPv4サーバにリース期限の更新を要求します。この更新が成功するとリース期限が延長されます。

 もし、DHCPv4サーバがダウンしているなどの理由で更新に失敗した場合、DHCPv4クライアントは、さらに、リース期限の87.5%が経過した時点で、他のDHCPv4サーバにIPアドレスをリースしてもらう為に、DHCP Requestをブロードキャストします。

 どのDHCPv4サーバにも更新の許可を受け取れなかった場合は、リース期間が満了するのでDHCPv4クライアントはIPv4アドレスの使用を停止するようになっています。

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