DHCPv4の動作(その1)

 DHCPv4は、コンピューターをネットワークに接続した際に、自動的にIPアドレスやデフォルトゲートウェイなどの設定情報を割り振るプロトコルです。ネットワークでは欠かせないプロトコルの1つです。

まずは、DHCPv4の基本的な仕組みから解説していきます。

DHCPv4とは

 DHCPとは、「Dynamic Host Configuration Protocol」の略で、コンピュータがネットワーク接続する為に必要なIPv4アドレスなどの情報を自動的に割り当てるプロトコルです。

DHCPv4を利用して、自動的に設定できる情報には、以下の項目です。

  • IPv4アドレス
  • サブネットマスク
  • デフォルトゲートウェイ
  • DNS

※上記以外にも様々な情報を設定することができます。

 クライアントに、自動的にIPv4アドレスなどのネットワークに接続に必要な情報を設定できるのは、とても便利です。数台のクライアントであれば、この割り当て作業もさほど大変な作業ではありませんが、台数が多くなると管理が大変です。

 ネットワークに接続する端末が増える都度、追加するクライアント用にIPv4アドレスなどを割り当てなければならないからです。

それでは、クライアントを使用する利用者に自分で、設定してもらえば、よいのではないか?

 そう思われるかもしれませんが、設定するネットワーク情報には、ルールがいろいろあり、例えば、IPv4アドレスは、重複してはならないルールがあります。そのルールを破ると、期待通りの通信を行うことができなくなってしまいます。

 また、間違えて、デフォルトゲートウェイのIPv4アドレスがクライアントに割り与えられてしまうと、間違えて設定されたクライアントと同じネットワークに属する他のクライアントが、自分と異なるネットワークやインターネットに接続できなくなってしまいます。

 ネットワークの設定には、ある程度のネットワークに関する知識が必要で、1つも間違えることもなく、全ての項目を正しく設定を行う必要があります。

 たとえ、ネットワークに詳しい人ばかりだとしても、人間ですから間違えて設定してしまうこともあります。そういった意味でも、間違いなく確実にネットワークの設定を割り当てることができるDHCPv4は、たくさんクライアントがあるネットワークでは、重宝します。

 このように、DHCPv4を用いることで、ネットワーク管理が容易となり、ネットワーク管理者は、例えクライアントの数が多くとも容易に一元管理することができるようになります。

クライアントの設定

 DHCPv4による自動的なネットワークの設定を有効にするには、クライアント側で、「自動的にIPアドレスを取得する」設定にするだけで、クライアントは自動的にIPv4アドレスを取得できるようになります。

 例えば、Windowsの端末では、TCP/IPのプロパティーを自動取得にします。下図はWindows XPの設定画面ですが、基本的にどのバージョンのWindowsでも設定画面が同様です。

 スマートフォンはもちろん、Nintendo Switchや3DSのような携帯用ゲーム機や、地上デジタルテレビなども「自動的にIPアドレスを取得する」という設定項目があります。

 このように、DHCPv4を利用するための設定や作業は、敷居の高いものではなく、簡単に利用することができます。

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