PAgP・LACP(自動ネゴシエーション)
EtherChannelを形成する方法は、下表のように、スタティックとダイナミックで行う方法があります。ダイナミックでEtherChannelを形成する方法には、PAgP、もしくは、LACPを使用します。
スタティック | 物理ポートでネゴシエーションさせないで、強制的にEtherChannelを形成させる方法。 |
ダイナミック | 物理ポートでPAgP、もしくは、LACPプロトコルのネゴシエーション通じてEtherChannelを形成する方法。 |
PAgPによるネゴシエーション
PAgPは、Cisco独自のEtherChannelを形成させるプロトコルです。PAgPは、パケットを30秒ごとに送信して、スイッチ間のリンクの障害やリンクの両端の設定を検出します。
PAgPには、下表のようなモードがあり、リンクの両端の設定を検出してEtherChannelのリンクを形成します。
モード | 説明 |
On | 強制的にインターフェイスでEtherChannelを形成させます。Onモードに設定したインターフェイスでは、PAgPパケットは交換されません。 |
Desirable | インターフェイスを動的なネゴシエーション状態にします。PAgPパケットを送信して、他ポートとのネゴシエーションを開始します。 |
Auto | 受動的なネゴシエーションの状態にします。PAgPパケットには応答するが、ネゴシエーションは開始しません。 |
PAgP モードの設定例
EtherChannelを確立するかどうかは、チャネルの両側のモードの設定で異なります。下表にチャネル確立の結果をまとめます。

S1のモード | S2のモード | チャネルの確立 |
On | On | はい |
On | Desirable/Auto | いいえ |
Desirable | Desirable | はい |
Desirable | Auto | はい |
Auto | Desirable | はい |
Auto | Auto | いいえ |
LACPによるネゴシエーション
LACPは、IEEE802.3adで一部として定義されたいましたが、現在は、メトロポリタンエリアネットワーク用の新しいIEEE802.1AXで定義されています。PAgPと同様にEhterChanelを形成することができます。
PAgPは、Cisco独自のプロトコルですが、LACPは、IEEE標準であるため、他ベンダーでEhterChanelを形成したい場合は、こちらのプロトコルを使用するようになります。
Ciscoデバイスは、PAgPとLACPの両方をサポートしているため、マルチベンダー環境においてもEhterChanelを形成することが可能です。
LACP には、下表のようなモードがあり、リンクの両端の設定を検出してEtherChannelのリンクを形成します。
モード | 説明 |
On | 強制的にインターフェイスでEtherChannelを形成させます。Onモードに設定したインターフェイスでは、LACPパケットは交換されません。 |
Active | インターフェイスを動的なネゴシエーション状態にします。LACPパケットを送信して、他ポートとのネゴシエーションを開始します。 |
Passive | 受動的なネゴシエーションの状態にします。LACP パケットには応答するが、ネゴシエーションは開始しません。 |
LACP モードの設定例
LACPにおいても、PAgPと同様にEtherChannelを確立するかどうかは、チャネルの両側のモードの設定で異なります。下表にチャネル確立の結果をまとめます。

S1のモード | S2のモード | チャネルの確立 |
On | On | はい |
On | Active/Passive | いいえ |
Active | Active | はい |
Active | Passive | はい |
Passive | Active | はい |
Passive | Passive | いいえ |
LACPでは16の物理ポートを束ねことができます。その際、8つのアクティブリンクと8つのスタンバイリンクが利用できます。アクティブリンクの1つに障害が発生すると、スタンバイリンクがアクティブになります。