リンクアグリゲーションとは

 リンクを冗長化する方法にSTP(Spanining Tree Protocol)があります。STPでは、スイッチングループを防ぐために、ブロッキングポートを配置することで、冗長リンクをブロックします。

ループを防ぐことは、良いのですが、データ転送においては、効率が良いとはいえません。

 ブロッキングポートを含むリンクでは、データ転送を行わないため、せっかく、物理的に故障しておらず、利用することができるにもかかわらず、だだ、ただ、待機しているのは、もったいないです。

 そこで、STPによってブロックされないリンク集約技術を利用することができます。この集約技術のことをリンクアグリゲーション(Link Aggregation)といいます。

 複数の物理リンクを束ねて、1つの論理リンクにグループ化して扱うことで、スイッチ、ルータなどのネットワーク機器、サーバ間に以下の機能を提供します。

  • 冗長性
  • フォールトトレランス
  • 帯域幅の増加
  • ロードシェアリング

EtherChannel

 Cisco以外の他ベンダーでは、リンクアグリゲーションと呼んでいる技術を、Ciscoでは EtherChannel と呼んでいます。

 また、FastEthernetのリンクで束ねたものを、Fast Ether Channel(FEC)、Gigabit Ethernetのリンクを束ねたものを、Gigabit Ether Channel(GEC)、10Gigabit Ethernetのリンクを束ねたものを、10Gigabit Ether Channel(10GEC)と呼んでいます。

 下図のようにEtherChannelを使用してリンクを束ねることで、100Mbpsの物理リンクを4本束ねることで、100Mbps、1Gbpsの物理リンクを2本束ねることで2Gbpsの帯域幅の論理リンクとなります。

 また、スパニングツリーにおいては、論理リンク1本のリンクと見なされます。物理リンクのうち1本に障害が発生したとしても残りの物理リンクで通信を続けることができるため、冗長性とフォールトトレランスをが強化されます。

活用場面

 EtherChannelを使用する場所は、主にトラフィックが集中するバックボーンに設定する場合が、多いようです。EtherChannelを使用することで、複数の物理ポートが、論理的に1本として扱われ、帯域幅を増やすと同時に、物理リンクの何本かに障害が発生しても残りのリンクによって通信が可能です。

 EtherChannelは、リンクが切れると単一障害点となってしまうような、ネットワークの要所やトラフィックの集中する部分に適用するケースが多くなるかと思われます。

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