FUJITSU FM-77

FUJITSU FM-77

 FUJITSU FM-77は、1984年に富士通(FUJITSU)が発売した日本のパーソナルコンピュータです。FM-77は、先代のFM-7の後継機種として登場し、より高性能なハードウェアと新機能を備えています。

以下にFM-77の主な特徴を解説します。

  1. ハードウェア
     FM-77は、16ビットのCPUであるIntel 8086を搭載しています。初期モデルでは8MHzのクロック速度でしたが、後のモデルでは10MHzや12MHzの高速モデルも登場しました。メモリ容量は初期モデルで64KBから128KBまで搭載可能であり、後のモデルでは256KBや1MBまで拡張できるようになりました。
  2. グラフィックス
     FM-77は、高度なグラフィックス表示能力を持っています。初期モデルでは解像度を640×200ピクセルまでサポートし、16色のパレットを持つビットマップグラフィックスを表示することができました。後のモデルでは、640×400ピクセルの高解像度モードや4096色のカラーパレットなど、さらに高品質なグラフィックス表現が可能となりました。
  3. サウンド
     FM-77は、PSG(Programmable Sound Generator)とFM音源チップを搭載しています。これにより、豊かな音楽や効果音の再生が可能となりました。FM-77mkIIやFM-77AVモデルでは、より高品質な音声表現を実現するために16ビットのDAコンバーターも搭載されました。
  4. ストレージ
     FM-77は、フロッピーディスクドライブを標準搭載しています。初期モデルでは5.25インチの2Dフロッピーディスクを使用し、容量は最大720KBまでサポートされました。後のモデルでは2DDや3.5インチフロッピーディスクにも対応し、さらなるデータストレージ容量の向上が可能となりました。
  5. インターフェース
     FM-77は、多くのインターフェースを備えています。RS-232Cポート、プリンターポート、ジョイスティックポート、マウスポートなどがあり、周辺機器の接続が容易に行えます。拡張スロットも搭載されており、ユーザーは拡張カードやインターフェースを追加することができます。

 FM-77は、高性能なハードウェアと多彩なグラフィックス・サウンド機能を備えたコンピュータとして、ゲーム開発者やユーザーの間で人気を博しました。また、FM-77はビジネスユーザーにも利用され、ワードプロセッサや表計算ソフトウェアなどのビジネスアプリケーションも普及しました。富士通のFMシリーズは、日本のパソコン市場において重要な存在であり、多くのユーザーにとって特別なコンピュータ体験を提供しました。