FUJITSU FM-7

FUJITSU FM-7

 FUJITSU FM-7は、1982年に富士通(FUJITSU)が発売した日本のパーソナルコンピュータです。FM-7は、富士通の主力製品であるミニコンピュータFMシリーズの技術を基にしており、ビジネスユーザー向けのシステムとして位置づけられました。しかし、その優れたグラフィックス性能とゲームラインナップがゲーム愛好家にも人気を博し、広く普及しました。

以下にFM-7の主な特徴を解説します。

  1. ハードウェア
     FM-7は、8ビットCPUのモトローラ製MBL68B09を搭載しています。初期モデルでは1MHzのクロック速度でしたが、後のモデルでは2MHzに向上しました。メモリ容量は初期モデルで32KBから64KBまで搭載可能であり、後のモデルでは128KBや1MBまで拡張できるようになりました。
  2. グラフィックス
     FM-7は、優れたグラフィックス機能を持っています。初期モデルでは解像度を320×200ピクセルまでサポートし、8色のパレットを持つビットマップグラフィックスを表示することができました。後のモデルでは、640×200ピクセルの高解像度モードや4096色のカラーパレットなど、より高度なグラフィックス表現が可能となりました。
  3. サウンド
     FM-7は、豊かな音声出力を実現するためにPSG(Programmable Sound Generator)を搭載しています。これにより、音楽や効果音の再生が可能となりました。また、一部のモデルではFM音源チップも搭載され、より高品質な音声表現が可能となりました。
  4. ストレージ
     FM-7は、フロッピーディスクドライブを標準搭載しています。初期モデルでは5.25インチのシングルサイド2Dフロッピーディスクを使用し、容量は最大140KBでした。後のモデルでは2Dや2DDフロッピーディスクに対応し、より大容量のデータストレージが可能となりました。
  5. インターフェース
     FM-7は、多くのインターフェースを備えています。RS-232Cポート、プリンターポート、ジョイスティックポート、マウスポートなどがあり、周辺機器の接続が容易に行えます。また、拡張スロットも搭載されており、ユーザーがさまざまな拡張カードやインターフェースを追加することができます。

 FM-7は、その優れたグラフィックス性能と豊富なゲームソフトウェアのラインナップによって、ゲーム愛好家の間で非常に人気がありました。また、ビジネスユーザーにも利用され、ワードプロセッサや表計算ソフトウェアなどのビジネスアプリケーションも利用されました。FM-7は、日本のパソコン市場において重要な存在であり、その後の富士通のコンピュータ製品の発展にも貢献しました。