無線LAN:認証

無線LAN

 無線LANの認証は、クライアントデバイス(無線LAN端末)がアクセスポイントに対して自身の正当性を証明するプロセスです。認証には、オープン認証と共有鍵認証の2つの主要な方式があります。

  1. オープン認証(Open Authentication)
     オープン認証では、クライアントデバイスがアクセスポイントに対して特定の認証情報を提供しません。つまり、認証の実際の処理は行われません。この方式では、アクセスポイントが物理的に存在するかどうかを確認するために使用されることがあります。一般的に、オープン認証はセキュリティの観点からは脆弱であり、利用する際には別途セキュリティ手法を採用することが推奨されます。
  2. 共有鍵認証(Shared Key Authentication)
     共有鍵認証では、クライアントデバイスとアクセスポイントの間であらかじめ共有したパスワード(共有鍵)を使用して認証が行われます。具体的な手順は以下の通りです。
  • クライアントデバイスは、アクセスポイントに対して認証要求を送信します。
  • アクセスポイントは、クライアントデバイスに対して共有鍵を要求する応答を送信します。
  • クライアントデバイスは、共有鍵を使用して応答を生成し、アクセスポイントに送信します。
  • アクセスポイントは、受信した応答を検証し、認証の成功または失敗をクライアントデバイスに通知します。

 共有鍵認証は、一般的な家庭や小規模なネットワーク環境でよく使用されますが、セキュリティの観点からは脆弱性が指摘されています。そのため、より強力な認証方式やセキュリティプロトコル(例:WPA2、WPA3)の使用が推奨されています。

 無線LANの認証は、クライアントデバイスとアクセスポイントの間でのセキュアな通信の確立を支援する重要なステップです。適切な認証手法とセキュリティ設定を選択することで、無線LANネットワークの安全性を向上させることができます。

 共有鍵認証では、あらかじめクライアントデバイスとアクセスポイントで共有したパスワード(共有鍵)が使用されます。このパスワードは、クライアントデバイスがアクセスポイントに接続する際に入力されます。共有鍵認証の手順は以下のようになります。

  1. クライアントデバイスがアクセスポイントに接続を試みると、アクセスポイントは認証要求を送信します。
  2. アクセスポイントからの認証要求に対して、クライアントデバイスは共有鍵を使用して応答を生成します。
  3. クライアントデバイスからの応答がアクセスポイントに届くと、アクセスポイントはその応答を検証します。
  4. アクセスポイントがクライアントデバイスからの応答を正しく検証できれば、クライアントデバイスは認証されたとみなされ、アクセスポイントとの接続が確立されます。接続後は、クライアントデバイスはネットワーク上でデータの送受信を行うことができます。

 共有鍵認証は、過去に主要な認証方式として広く使用されていましたが、セキュリティの脆弱性が指摘されるようになりました。共有鍵が盗まれる可能性やクラッキングのリスクがあるため、より強力なセキュリティプロトコルや認証方式(例:WPA2-PSK、WPA3-PSK)が推奨されています。

 現在の無線LANのセキュリティは、共有鍵認証だけでなく、さまざまなセキュリティ機能やプロトコルによって強化されています。これには、ネットワーク暗号化(例:WPA2、WPA3)、ユーザー認証(例:802.1X)、ゲストネットワークの分離などが含まれます。これらのセキュリティ対策は、無線LANネットワークの安全性を向上させ、不正なアクセスやデータの漏洩を防ぐ役割を果たします。