無線LAN:スキャン

無線LAN:スキャン

 無線LANのスキャンは、無線LAN端末(クライアントデバイス)が周囲のアクセスポイント(AP)を検出し、接続可能なネットワークの情報を収集するプロセスです。スキャンには、アクティブスキャンとパッシブスキャンの2つの主要な方法があります。

  1. アクティブスキャン(Active Scan)
     アクティブスキャンでは、クライアントデバイスが自身からビーコンフレームを送信して、アクセスポイントからの応答を待ちます。具体的な手順は以下の通りです。
  • クライアントデバイスは、一定の時間間隔でアクティブスキャンを実行します。
  • クライアントデバイスは、特定のチャンネルでビーコンフレームを送信します。ビーコンフレームには、クライアントデバイスの情報(MACアドレス、サポートしている伝送速度など)が含まれます。
  • 周囲のアクセスポイントは、受信したビーコンフレームに対して応答します。応答には、アクセスポイントの情報(SSID、セキュリティ設定、信号強度など)が含まれます。
  • クライアントデバイスは、受信した応答を解析し、利用可能なアクセスポイントのリストを作成します。このリストには、各アクセスポイントの情報が含まれます。
  1. パッシブスキャン(Passive Scan)
     パッシブスキャンでは、クライアントデバイスはビーコンフレームを受信するだけで、自身はビーコンフレームを送信しません。具体的な手順は以下の通りです。
  • クライアントデバイスは、一定のチャンネルで受信を行います。
  • 周囲のアクセスポイントは、一定の間隔でビーコンフレームを送信します。ビーコンフレームには、アクセスポイントの情報が含まれます。
  • クライアントデバイスは、受信したビーコンフレームを解析し、利用可能なアクセスポイントのリストを作成します。

 どちらのスキャン方法が使用されるかは、クライアントデバイスの設定や実装によって異なります。一般的には、アクティブスキャンとパッシブスキャンを組み合わせて使用し、周囲のアクセスポイントの詳細な情報を収集します。

 スキャンの目的は、クライアントデバイスが周囲のアクセスポイントを特定し、接続可能なネットワークの情報を把握することです。これにより、クライアントデバイスは適切なアクセスポイントを選択し、アソシエーションフェーズに進むことができます。スキャンは、無線LANの信頼性とパフォーマンスを向上させるために重要な役割を果たします。