MSX2+

MSX2+

 MSX2+(エムエスエックスツープラス)は、MSX2の後継規格であり、1988年に登場しました。MSX2+は、MSX2の機能をさらに強化し、より高度なハードウェアと機能を提供しました。

以下にMSX2+の主な特徴を解説します:

  1. ハードウェア
     MSX2+は、MSX2と同様に16ビットのZ80互換のCPUを搭載しています。メモリ容量は最低でも64KB以上であり、多くのモデルでは128KB以上のメモリを備えています。ビデオディスプレイの解像度はMSX2と同じく256×192ピクセルまたは512×212ピクセルですが、MSX2+では新たな表示モードが追加され、画面表示のクオリティが向上しました。また、音声はPSGチップに加えてFM音源チップも搭載されており、より高品質な音声表現が可能となりました。
  2. VDP(Video Display Processor)
     MSX2+では、新たなVDPチップが導入されました。このVDPチップにより、従来のMSX2よりも高品質なグラフィックス表示が実現されました。新しい表示モードやパレットモード、スプライト機能の拡張など、より美麗なグラフィックス表現が可能となりました。
  3. スプライト機能の拡張
     MSX2+では、スプライト機能がさらに拡張されました。最大で64個のスプライトを同時に表示することができます。また、スプライトのサイズや表示優先度、透明色の設定など、より細かな制御が可能となりました。
  4. ソフトウェア互換性
     MSX2+は、MSX2とのソフトウェア互換性を保っています。つまり、MSX2で動作するソフトウェアはMSX2+でも動作することができます。ただし、MSX2+の新機能や拡張機能を利用するためには、対応したソフトウェアが必要となります。

 MSX2+は、MSXシリーズの最終モデルとして登場しましたが、市場での成功は限定的でした。MSX2+に対応したソフトウェアや周辺機器の数は比較的少なく、他のパーソナルコンピュータの台頭や16ビットおよび32ビットのホームコンピュータの普及によって、MSXシリーズの人気は次第に衰えていきました。しかし、MSX2+は当時のコンピュータ愛好家やMSXファンの間で評価され、その性能と拡張性は高く評価されています。