MSX2

MSX2

 MSX2(エムエスエックスツー)は、MSXの後継規格であり、1985年に登場しました。MSX2は、前世代のMSXに比べてさまざまな進化を遂げ、より高度なハードウェアと機能を提供しました。

以下にMSX2の主な特徴を解説します。

  1. ハードウェア
     MSX2は、16ビットのCPUであるZilog Z80互換のCPUを搭載しています。メモリ容量は最低でも64KB以上であり、多くのモデルでは128KB以上のメモリを備えています。ビデオディスプレイは前世代のMSXと同様にテレビやモニターを使用し、解像度は通常256×192ピクセルまたは512×212ピクセルです。しかし、MSX2では16色同時表示や256色パレットなど、より多彩なグラフィックス表示が可能となりました。また、音声はPSGチップに加えて、FM音源チップも搭載されており、より高品質な音声表現が可能となりました。
  2. スプライト機能
     MSX2は、前世代のMSXにはなかったスプライト機能を備えています。スプライトは、画面上に独立して動作する小さなグラフィックスオブジェクトであり、ゲームやアニメーションなどで活用されました。最大で32個のスプライトを同時に表示することができます。
  3. スクロール機能
     MSX2は、画面のスクロール機能を備えています。これにより、ゲームやアプリケーションでのスムーズな画面スクロールが可能となりました。水平スクロールや垂直スクロール、複数のスクロールレイヤーの使用など、多彩なスクロール効果を実現することができます。
  4. カラーパレット
     MSX2では、より多彩な色を表示するためのカラーパレットが拡張されました。最大で512色のカラーパレットを持ち、16色の同時表示が可能です。これにより、より鮮やかなグラフィックス表現が実現されました。
  5. メディア拡張
     MSX2は、前世代のMSXと同様にカートリッジスロットを備えていますが、さらに内蔵のフロッピーディスクドライブ(一部モデルはハードディスクドライブ)も標準装備されました。これにより、ディスクメディアの利用や大容量のデータの取り扱いが容易になりました。

 MSX2は、前世代のMSXとの互換性を保ちつつ、より高性能なハードウェアと拡張機能を提供しました。これにより、さまざまなゲームやアプリケーションの開発が可能となり、MSX2は当時のパソコンユーザーやゲーム愛好家から広く支持を受けました。