無線LAN:アドホックモード

無線LAN:アドホックモード

 無線LAN(Wireless Local Area Network)のアドホックモードは、ワイヤレスネットワークを構築するための一般的なモードの一つです。このモードでは、ワイヤレスクライアントデバイス同士が直接通信を行います。以下で、アドホックモードについて詳しく解説します。

  1. 無線区間の宛先MACアドレス
     アドホックモードでは、データフレームの送信先MACアドレスが無線区間の宛先MACアドレスフィールドにセットされます。これは、フレームを特定の受信者に送信するために使用されます。
  2. 無線区間の送信元MACアドレス
     データフレームには、送信元MACアドレスも含まれます。このフィールドには、フレームの送信元デバイスのMACアドレスがセットされます。MACアドレスは、ネットワーク上のデバイスを一意に識別するために使用されます。
  3. ユーザーが定義したID
     アドホックモードでは、フレームの第3フィールドにはユーザーが定義したIDがセットされます。このIDは、ユーザーが自由に決めることができる識別子です。ユーザーが特定のグループやネットワークに参加するためのIDとして使用されることがあります。
PC1 → PC2
MACアドレス1MACアドレス2MACアドレス3MACアドレス4
PC2PC1ユーザー定義
PC1 → PC2

 アドホックモードでは、ワイヤレスクライアントデバイス同士が直接通信を行います。デバイスはお互いにフレームを送受信し、通信を確立します。このモードでは、ワイヤレスアクセスポイントを介さずに通信が行われるため、ネットワークの設定や管理が簡単です。ただし、アドホックモードでは通信範囲が制限されるため、デバイス同士が物理的に近くにある必要があります。

 アドホックモードは、一時的なネットワークの構築やデバイス間の直接通信が必要な場合に便利です。例えば、会議やイベントでのファイル共有や協力作業などで利用されることがあります。

アドホックモードとゲーム

 アドホックモードは、ワイヤレスLANの通信モードの一つであり、複数のワイヤレスデバイスが直接接続して通信を行うことができます。この通信モードは、ゲームにおいて特に重要な役割を果たしています。

ゲームにおけるアドホックモードは、主に以下のようなケースで利用されます。

  1. ローカルマルチプレイヤーゲーム
     アドホックモードを使用することで、複数のワイヤレスデバイス(ゲームコンソール、スマートフォンなど)が直接接続され、ローカルネットワーク内でマルチプレイヤーゲームをプレイすることができます。通常、ゲーム内でプレイヤー同士が協力したり、競い合ったりすることができます。
  2. アドホックマルチプレイヤーゲーム
     アドホックモードでは、ゲームデバイス同士が直接接続されるため、インターネットへの接続が必要ありません。このため、屋外や交通機関などのインターネット接続が制限される場所でも、複数のデバイスでのマルチプレイヤーゲームを楽しむことができます。例えば、ポケモンの「ポケモン交換」や「ポケモンバトル」などがアドホックモードを使用しています。
  3. ワイヤレスコントローラーの使用
     アドホックモードでは、ワイヤレスコントローラーを使用してゲームデバイスと接続することができます。これにより、プレイヤーはコードやケーブルの制約なしに自由にゲームをプレイすることができます。

 アドホックモードは、ワイヤレスデバイス同士が直接通信を行うため、通信範囲が制限される場合があります。デバイス同士は物理的に近くになければならず、通信範囲を超えると通信が途切れる可能性があります。また、セキュリティの観点からも、アドホックモードではデバイス間の通信は暗号化されず、他のデバイスにアクセスされるリスクがあるため、注意が必要です。

 ゲームにおけるアドホックモードは、複数のワイヤレスデバイスが直接接続して通信を行うことで、マルチプレイヤーゲームやローカルコンペティションを楽しむための便利な手段です。