シングルモードファイバとマルチモードファイバ
シングルモードファイバとマルチモードファイバ
シングルモードファイバとマルチモードファイバは、光ファイバ通信で使用される2つの主要なファイバタイプです。以下でそれぞれの特徴について詳しく説明します。
- シングルモードファイバ(Single Mode Fiber)
シングルモードファイバは、コア(光を伝送する中心部)の直径が非常に小さいファイバです。光はシングルモードファイバ内で直線的に伝播し、1つの伝送モード(光ビームのパス)を持ちます。シングルモードファイバは、優れた伝送性能と高い伝送距離を提供します。
主な特徴:
- コア直径: 8~10マイクロメートル(μm)
- 伝送モード: 1つの伝送モード
- 伝送距離: 長距離(数十キロメートルから数百キロメートル)
- 使用波長: 1310ナノメートル(nm)または1550nm
- 用途: 長距離通信、光ファイババックボーンネットワーク、光ファイバ接続ネットワーク
シングルモードファイバは、高い伝送品質と帯域幅を提供するため、長距離通信や高速データ伝送に適しています。
- マルチモードファイバ(Multimode Fiber)
マルチモードファイバは、コアの直径が比較的大きく、光が複数の異なるモードで伝播するファイバです。コア内で光が反射し、多重パスが形成されます。マルチモードファイバは、一般的に短距離通信やローカルエリアネットワーク(LAN)などの近距離通信に使用されます。
主な特徴:
- コア直径: 50マイクロメートル(μm)または62.5μm
- 伝送モード: 複数の伝送モード
- 伝送距離: 短距離(数百メートルから数キロメートル)
- 使用波長: 850nmまたは1300nm
- 用途: LAN、データセンター内の短距離通信、ビル間通信など
マルチモードファイバは、低コストで一般的に使用されるため、LAN環境や短距離通信に適しています。ただし、長距離や高速伝送が必要な場合は、シングルモードファイバが適しています。
シングルモードファイバとマルチモードファイバの選択は、通信距離、伝送速度、予算、システム要件に基づいて行われる必要があります。
以下は、シングルモードファイバとマルチモードファイバの特徴を比較した表です。
特徴 | シングルモードファイバ | マルチモードファイバ |
---|---|---|
コア直径 | 8〜10μm | 50μmまたは62.5μm |
伝送モード | 1つの伝送モード | 複数の伝送モード |
伝送距離 | 長距離(数十キロメートルから数百キロメートル) | 短距離(数百メートルから数キロメートル) |
使用波長 | 1310nmまたは1550nm | 850nmまたは1300nm |
用途 | 長距離通信、光ファイババックボーンネットワーク、光ファイバ接続ネットワーク | LAN、データセンター内の短距離通信、ビル間通信など |
主な利点 | 高い伝送品質、高速データ伝送に適している | 低コスト、一般的に使用される |
主な制約 | コストが高い、取り扱いが繊細 | 伝送距離や速度に制約がある |
この表は、シングルモードファイバとマルチモードファイバの主な特徴を要約しています。それぞれのファイバタイプには独自の利点と制約があり、適切な選択は通信要件や予算によって異なります。