STP
STP
STP (Spanning Tree Protocol) は、複数のスイッチやブリッジを接続したネットワークにおいて、ループを回避するためのプロトコルです。ループが発生すると、パケットが無限にループし続けてネットワークのパフォーマンスが低下するため、STPはネットワークの安定性を保つために重要な役割を担っています。
STPは、以下のような特徴を持ちます。
- ルートブリッジの選出:STPは、複数のスイッチやブリッジのうち、1つをルートブリッジとして選出します。ルートブリッジは、ネットワーク内のすべてのスイッチやブリッジにおいて、最短経路を提供する役割を持ちます。
- ポートの状態遷移:STPは、各スイッチやブリッジのポートの状態を監視し、必要に応じてポートの状態を変更します。例えば、ネットワーク内でループが発生した場合には、STPは一部のポートをブロッキング状態に変更することで、ループを回避します。
- ポートのコストの計算:STPは、各ポートのコストを計算し、最短経路を提供するパスを選択します。ポートのコストは、伝送速度や帯域幅、距離などによって決定されます。
- ポートの優先度:STPは、ポートの優先度を設定することができます。ポートの優先度は、ルートブリッジに近いほど低くなります。
STPは、通常、自動的に動作しますが、必要に応じて手動で設定することもできます。また、STPの改良版であるRSTP (Rapid Spanning Tree Protocol) やMSTP (Multiple Spanning Tree Protocol) などが存在し、より高速かつ柔軟なネットワーク構成を実現することができます。