無線LAN：管理フレーム

無線LAN：管理フレーム

無線LANの管理フレームについて解説します。

ビーコン（Beacon）

　ビーコンは、無線LANのアクセスポイント（AP）から定期的に送信される管理フレームです。ビーコンは、ネットワークの存在とパラメータを通知する役割を果たします。主な情報としては、ネットワークの識別子（SSID）、アクセスポイントのMACアドレス、セキュリティ設定、サポートされるデータレート、タイムスタンプなどが含まれます。クライアントデバイスはビーコンを受信してネットワークの存在を検出し、接続するための情報を取得します。

管理フレーム（Management Frame）

　管理フレームは、無線LANのネットワーク制御や管理に使用されるフレームです。以下に管理フレームのいくつかのタイプを解説します。

• プローブ要求/応答（Probe Request/Response）
  　プローブ要求は、クライアントデバイスがアクセスポイントを検索するために送信するフレームです。アクセスポイントはプローブ応答として返信し、自身の存在を通知します。これにより、クライアントデバイスは利用可能なアクセスポイントの情報を受け取り、適切な接続先を選択することができます。
• 認証（Authentication）
  　認証フレームは、クライアントデバイスがアクセスポイントに対して自身を認証するために使用されるフレームです。認証はセキュリティを確保するために行われます。通常、事前共有鍵（PSK）やエンタープライズセキュリティ（RADIUSサーバとの通信）などの認証方式が使用されます。
• アソシエーション要求/応答（Association Request/Response）
  　アソシエーション要求は、クライアントデバイスがアクセスポイントに対して接続を要求するために送信するフレームです。アクセスポイントはアソシエーション応答として返信し、クライアントデバイスをネットワークに正式に関連付けます。アソシエーション時には、クライアントデバイスがアクセスポイントに対して割り当てられる一意の識別子（関連付けID）なども取得されます。

　管理フレームは、無線LANネットワークの探索、認証、関連付けなどのタスクに使用され、ネットワークの設定や状態管理をサポートします。これらのフレームを使用して、クライアントデバイスはネットワークに接続し、通信を開始する準備を整えます。