IEEE802.11 フレームフォーマット

IEEE802.11 フレームフォーマット

 IEEE 802.11は、無線LANの標準規格であり、データの送受信に使用されるフレームフォーマットが定義されています。IEEE 802.11フレームは、ワイヤレスネットワークでの通信制御やデータの管理を可能にします。以下にIEEE 802.11フレームの主要な要素と構造を解説します。

フレーム制御フィールドデュレーション/IDフィールドアドレスフィールド制御フィールドデータフィールドフレームチェックシーケンス
16ビット16ビット可変可変可変32ビット
  1. フレーム制御フィールド(Frame Control Field)
     フレーム制御フィールドは、フレームの種類や送信元と宛先のMACアドレス、フレームの制御情報などを含んでいます。このフィールドは16ビットで構成されており、複数のサブフィールドから成り立っています。
  2. デュレーション/IDフィールド(Duration/ID Field)
     デュレーション/IDフィールドは、フレームの送信時間の指定やフレームの一意の識別子(ID)を含んでいます。送信時間の指定により、他のデバイスは通信チャネルを使用する時間を予測することができます。
  3. アドレスフィールド(Address Field)
     アドレスフィールドには、送信元と宛先のMACアドレスが含まれます。IEEE 802.11フレームでは、フレームの送信元と宛先を示すためにMACアドレスが使用されます。最大で4つのMACアドレスフィールドを持ちます。
  4. 制御フィールド(Control Field)
     制御フィールドには、フレームの送信速度や電力管理、フレームの順序制御などの情報が含まれます。これにより、ネットワークの効率性と信頼性を向上させることができます。
  5. データフィールド(Data Field)
     データフィールドは、実際のデータペイロードが格納される部分です。データフィールドのサイズは可変であり、通常は上位のプロトコル(例:TCP/IP)によって定義されたデータが含まれます。
  6. フレームチェックシーケンス(FCS)
     フレームチェックシーケンスは、フレームのデータ完全性を確保するための誤り検出符号です。FCSは、データフィールド内のビットに対するチェックサムを計算し、フレームの受信時にチェックされます。

 IEEE 802.11フレームフォーマットは、データフレーム、管理フレーム、制御フレームの3つのカテゴリに分類されます。データフレームは実際のデータ通信に使用され、管理フレームはネットワークの制御や管理に使用されます。制御フレームは、チャネルアクセス制御や電力管理などの制御情報を伝えるために使用されます。

 IEEE 802.11フレームフォーマットは、無線LANの通信制御やデータの管理を効率的に行うために設計されており、高速かつ信頼性のある無線通信を実現するための重要な要素です。

フレーム制御(Frame Control)

 フレーム制御フィールドは、IEEE 802.11フレームのヘッダに含まれる16ビットのフィールドです。このフィールドは、フレームの種類(データフレーム、管理フレームなど)や送信元と宛先のMACアドレス、フレームの制御情報を示すビットフィールドから成り立っています。

  • データフレーム(Data Frame)
     データフレームは、無線LANネットワーク内でデータの送受信に使用されるフレームです。データフレームには、実際のデータペイロードが含まれており、上位のプロトコル(例:TCP/IP)によって定義されたデータが格納されます。データフレームは、通信のプロセスで重要な役割を果たし、ユーザーのデータを効率的に送信するための機能を提供します。
  • 管理フレーム(Management Frame)
     管理フレームは、無線LANのネットワーク制御や管理に使用されるフレームです。これには、ネットワークの探索、認証、関連付け、再関連付け、再認証などのタスクに関連する情報が含まれます。管理フレームは、クライアントデバイスやアクセスポイント間の通信を制御し、ネットワークの設定や状態管理をサポートします。
  • 制御フレーム(Control Frame)
     制御フレームは、無線LANネットワークのチャネルアクセス制御やフレームの順序制御などの制御情報を含むフレームです。これには、送信速度の調整、電力管理、フレームの送信権の管理、ACK(確認応答)の送信などが含まれます。制御フレームは、ネットワークの効率性と信頼性を向上させるために使用されます。

 IEEE 802.11フレームは、無線LANネットワーク内でデータの送受信や制御を行うために重要な役割を果たします。それぞれのフレームタイプは、異なる目的を持ち、ネットワークの動作や通信の効率性に影響を与えます。