無線LAN端末が繋がるまで

無線LAN端末が繋がるまで

 無線LAN端末がネットワークに接続するまでのプロセスは、「アソシエーション」、 「認証」、 「共有鍵生成」、 「暗号化通信」という4つのフェーズで構成されます。以下にそれぞれのフェーズを詳しく解説します。

  1. アソシエーション
     アソシエーションは、無線LAN端末(クライアントデバイス)がアクセスポイント(ワイヤレスルーター)との接続を確立する最初のステップです。クライアントデバイスは、周囲のアクセスポイントをスキャンし、接続したいアクセスポイントを特定します。その後、アクセスポイントに対してアソシエーション要求フレームを送信します。アクセスポイントは要求を受け取り、アソシエーション応答フレームを返します。これにより、クライアントデバイスとアクセスポイントの間で物理的な接続が確立されます。
  2. 認証
     アソシエーションが完了した後、クライアントデバイスはアクセスポイントに対して認証を行います。認証は、クライアントデバイスがネットワークへのアクセスを許可された有効なユーザーであることを確認するための手続きです。一般的には、以下の2つの認証方法が使用されます。
  • オープンシステム認証
     クライアントデバイスはアクセスポイントに対して認証要求フレームを送信し、アクセスポイントは応答フレームを返します。この方法では、パスワードや鍵の確認は行われません。
  • 共有鍵認証
     クライアントデバイスはアクセスポイントに対して認証要求フレームを送信し、アクセスポイントは事前に共有された鍵(パスワード)を使用して応答フレームを生成します。クライアントデバイスは応答を検証し、鍵が一致しているかどうかを確認します。
  1. 共有鍵生成
     認証が成功すると、クライアントデバイスとアクセスポイントの間で共有鍵生成のプロセスが行われます。共有鍵生成は、暗号化通信のためにセッション鍵を生成する手続きです。セッション鍵は、クライアントデバイスとアクセスポイントの間で共有され、データの暗号化と復号に使用されます。一般的には、鍵交換プロトコル(例えば、Diffie-Hellman鍵共有)が使用されます。
  2. 暗号化通信
     共有鍵生成が完了すると、クライアントデバイスとアクセスポイントは共有鍵を使用してデータの暗号化と復号を行うことができます。これにより、無線LAN上での通信がセキュアになり、第三者がデータを傍受や改ざんすることが困難になります。一般的には、暗号化プロトコル(例えば、WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)やWPA3)が使用されます。

 以上のフェーズを経て、無線LAN端末はネットワークに接続され、暗号化された通信が行われるようになります。これにより、セキュアなデータ転送とプライバシーの保護が実現されます。