WPA2
WPA2
WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)は、WPAの後継として開発された無線LANのセキュリティプロトコルです。WPA2は、より強力な暗号化と認証を提供し、より高度なセキュリティを実現しています。以下に、WPA2のセキュリティについて詳しく説明します。
- AES暗号化
WPA2は、Advanced Encryption Standard(AES)と呼ばれる暗号化方式を使用しています。AESは、従来のDES暗号化よりも安全性が高く、より強力な暗号化を提供します。WPA2では、128ビットまたは256ビットのAES暗号化を使用できます。 - IEEE 802.11i
WPA2は、IEEE 802.11i規格に基づいて設計されています。この規格は、無線LANのセキュリティに関する技術的な詳細を定義しています。WPA2は、この規格に準拠して設計されているため、より高度なセキュリティを提供することができます。 - 互換性
WPA2は、WPAとの互換性があります。したがって、WPA2対応のアクセスポイントは、WPA対応のクライアント端末と通信することができます。ただし、WPA2でのセキュリティレベルを維持するために、WPAとの同時使用は推奨されていません。 - EAP
WPA2では、Extensible Authentication Protocol(EAP)を使用して、ユーザー認証を行います。EAPは、様々な認証方式をサポートしており、WPA2では、EAP-TLSやPEAPなどの認証方式が使用されます。 - RADIUSサーバー
WPA2では、Remote Authentication Dial-In User Service(RADIUS)サーバーを使用して、ユーザー認証を行います。RADIUSサーバーは、クライアント端末がアクセスポイントに接続する際に、ユーザー名とパスワードを確認して、認証を行います。 - PSKの長さ
WPA2では、Pre-Shared Key(PSK)の長さを最大63文字に制限しています。これは、セキュリティを強化するために導入された制限です。WPA2では、PSKを暗号化キーに変換するためにPBKDF2を使用しています。 - CCMP暗号化
WPA2では、WPAで使用されたTKIPに代わり、CCMP(Counter Mode with Cipher Block Chaining Message Authentication Code Protocol)と呼ばれる暗号化方式が使用されています。CCMPは、AES暗号化をベースにしており、より高度なセキュリティを提供することができます。 - 安全な構成
WPA2を使用する場合、適切な構成が重要です。例えば、SSIDの非表示やMACアドレスフィルタリングなど、WPA2のセキュリティに直接関係しない設定を使用することは推奨されません。また、WPA2のパスワードは、強力で予測されにくいものを使用することが重要です。 - 脆弱性
WPA2には、いくつかの脆弱性が報告されています。例えば、KRACK(Key Reinstallation Attack)と呼ばれる攻撃手法があり、WPA2で使用される暗号化キーの再インストールによって、ネットワークを侵害することができます。これらの脆弱性に対処するため、WPA3という新しいセキュリティプロトコルが開発されました。
以上が、WPA2のセキュリティについての詳細です。WPA2は、WEPやWPAよりも高度なセキュリティを提供していますが、正しい構成が重要であり、いくつかの脆弱性に注意する必要があります。