リンクバイリンク

リンクバイリンク

 リンクバイリンク(Link-by-Link)とは、通信路を構成する個々のノード間の通信を単独で評価し、隣接ノード間の伝送特性を考慮することで、通信品質を評価する手法のことです。つまり、通信路を構成するノード同士での通信状況を個別に評価し、その結果をもとに通信品質を判断します。

 一方、エンドツーエンド(End-to-End)は、通信路全体を一括りで考え、発信端から受信端までの全体的な通信品質を評価する手法のことです。つまり、通信路全体を通して得られるデータの到達状況や速度などを判断します。

 リンクバイリンクは個々のノードの伝送特性やネットワークの物理的特性を重視して、通信品質の評価を行うため、通信品質のトラブルシューティングにおいて有効です。一方、エンドツーエンドは、ネットワーク全体での通信品質を把握するため、システム全体の品質管理に役立ちます。

 リンクバイリンク方式は、ネットワークの各リンクごとにパケットを転送する方法です。つまり、パケットが転送されるたびに、送信側と受信側のリンクの間で、パケットが受け渡されます。この方法では、各リンクにおける転送遅延が最小化されますが、ネットワーク全体の転送遅延が大きくなる可能性があります。

 一方、エンドツーエンド方式は、パケットを送信側から受信側まで一気に送信する方法です。パケットが送信された後、途中で中継されるノードは、パケットの中身を見ずに、送信先を決定し、次のノードに転送します。この方法では、ネットワーク全体の転送遅延が最小化されますが、各ノードでの転送遅延が大きくなる可能性があります。

 このように、リンクバイリンク方式とエンドツーエンド方式は、転送遅延とネットワーク全体の負荷分散のトレードオフを取ることができます。ネットワークの用途や特性に合わせて、適切な方式を選択する必要があります。