有線同等機密
有線同等機密
「有線同等機密 (Wired Equivalent Privacy, WEP)」とは、無線LAN (Wi-Fi)で通信内容を暗号化するための技術です。WEPは、通信内容を暗号化することで、無線LAN上での不正アクセスや盗聴を防止することができます。
WEPでは、通信の暗号化にRC4アルゴリズムを使用しています。暗号化には、共通の鍵を使用しています。この鍵は、アクセスポイントとクライアント間で共有されます。WEPでは、鍵長が40ビットまたは104ビットのものがあります。
WEPの問題点として、以下のようなものが挙げられます。
- 鍵の共有方法が脆弱
WEPでは、アクセスポイントとクライアントで同じ鍵を使用するため、鍵が漏洩した場合には、通信が傍受されることになります。また、鍵の生成に使用される初期ベクトル (IV) の値がランダムではないため、鍵の総当たり攻撃に対して弱いという問題もあります。
- 暗号化が破られる可能性がある
WEPでは、RC4アルゴリズムを使用していますが、RC4アルゴリズム自体に問題があるため、暗号化が破られる可能性があります。また、WEPでは鍵の再利用が許可されているため、攻撃者が長時間にわたって暗号化された通信を収集し、鍵を解析することができます。
以上のような問題点から、WEPは現在ではセキュリティ上の脆弱性があるとされ、WPAやWPA2などのより強力な暗号化技術が推奨されています。WEPを使用する場合には、鍵を定期的に変更し、セキュリティ強度を向上させることが必要です。
また、WEPを使用する場合には、以下のようなセキュリティ対策が必要です。
- 鍵の長さを設定する
WEPでは、鍵長が40ビットまたは104ビットのものがあります。鍵長が長いほど解読が困難になるため、できるだけ長い鍵長を設定することが望ましいです。
- 鍵の定期的な変更
WEPでは、鍵の再利用が許可されています。攻撃者が長時間にわたって暗号化された通信を収集し、鍵を解析することができるため、定期的に鍵を変更することが必要です。
- MACアドレスフィルタリング
MACアドレスフィルタリングを使用することで、不正な端末からの接続をブロックすることができます。ただし、MACアドレスは偽装することが可能であるため、完全なセキュリティ対策にはなりません。
- SSIDの非表示
SSIDを非表示にすることで、不正な端末からの接続を防止することができます。ただし、SSIDはスニッフィングによって傍受される可能性があるため、完全なセキュリティ対策にはなりません。
WEPは現在ではセキュリティ上の脆弱性があるため、WPAやWPA2などのより強力な暗号化技術が推奨されています。