ユニークローカルアドレス

ユニークローカルアドレス

 ユニークローカルアドレスは、IPv6における特別なアドレスの一つで、グローバルなアドレス空間ではなく、ローカルなネットワーク内でのみ有効なアドレスです。IPv6が普及する前に使用されていたプライベートアドレスに相当するもので、同様に、インターネット上では一意である必要はありません。

 IPv6には、グローバルアドレス、リンクローカルアドレス、マルチキャストアドレスなど、複数のアドレス種別があります。ユニークローカルアドレスは、IPv6アドレスのうち、次のようなアドレス範囲を指します。

FC00::/7

 このアドレス範囲は、ネットワークアドレスの先頭8ビットが「FD」であるアドレスと、それ以外の先頭8ビットが「FC」であるアドレスで構成されています。これらのアドレスは、グローバルアドレスと同様に128ビットで表されます。

 ユニークローカルアドレスは、同じアドレス範囲内でランダムに生成されるため、ローカルネットワーク内で一意であることが保証されます。これにより、グローバルアドレスと競合することがなく、ネットワーク内での通信に利用することができます。

 ただし、ユニークローカルアドレスはグローバルアドレスと競合しないため、インターネット上での通信には使用できません。ユニークローカルアドレスをグローバルアドレスに変換するためには、NAT(Network Address Translation)を使用する必要があります。

 ユニークローカルアドレスは、IPv6のアドレス設計において、グローバルなIPアドレスが枯渇する問題を解決するために導入されました。グローバルなIPアドレスを取得するには、ISP(Internet Service Provider)から割り当てられたアドレスを利用する必要がありますが、そのアドレスの枯渇が進んでいるため、ローカルネットワーク内での通信にはユニークローカルアドレスが使用されるようになっています。

 また、ユニークローカルアドレスは、IPv6が普及する前に使用されていたプライベートアドレスとは異なり、RFC(Request for Comments)によって標準化されたアドレス範囲です。そのため、IPv6で新たに構築されるネットワークにおいては、ユニークローカルアドレスの使用が推奨されています。

 ユニークローカルアドレスは、グローバルアドレスと同様に128ビットで表現され、先頭8ビットが「FC」または「FD」であることで特定されます。ただし、ユニークローカルアドレスの先頭8ビットが「FD」である場合は、その次の40ビットがランダムな値になっているため、生成されるアドレスが一意になるように設計されています。

 ユニークローカルアドレスは、ローカルネットワーク内での通信に利用されるため、グローバルなアドレスと異なり、インターネット上で直接アクセスすることはできません。グローバルなアドレスとの通信が必要な場合は、NATやVPNなどの技術を利用して、グローバルなアドレスに変換する必要があります。