ポアソン分布

ポアソン分布

 ポアソン分布は、稀な事象の発生回数を扱うために使用される確率分布です。例えば、単位時間あたりの電話の着信数や、単位面積あたりの放射線の数など、ある一定の時間や空間において、起こりうる事象の回数を表すために用いられます。

 ポアソン分布は、平均λ回発生する事象が、k回発生する確率を表す確率分布関数P(k)で表されます。具体的には、以下の式で表されます。

P(k) = (λ^k / k!) * e^(-λ)

ここで、eは自然対数の底で、kは発生回数、λは平均発生回数です。また、k!はkの階乗を表します。

ポアソン分布の特徴として、以下のようなものがあります。

  1. 平均値と分散が等しい
  2. λが小さいときには、0に近い値が高い確率で観測される
  3. λが大きくなるにつれ、正規分布に近づく
  4. λが大きい場合には、発生回数が0になる確率が非常に低くなる

ポアソン分布は、稀な事象の発生頻度を表すためによく用いられ、多くの応用分野で利用されます。

ポアソン分布の例としては、以下のようなものがあります。

  1. 交通事故の発生件数
  2. 病院の救急部への来院数
  3. インターネット上でのアクセス数
  4. 草花の芽の数など

 ポアソン分布は、事象の発生回数が互いに独立であるという仮定が成立する場合に適用されます。また、ポアソン分布の特性を利用して、事象の発生頻度や確率を推定することができます。例えば、ある地域における交通事故の平均発生件数を求め、それを元にある期間における交通事故の発生確率を推定することができます。

 ポアソン分布は、統計学や確率論などの分野で重要な役割を果たしています。特に、稀な事象の発生頻度を表現するためのモデルとして、広く用いられています。