ベンダ識別子
ベンダ識別子
MACアドレスは、ネットワークデバイスが識別するために使用される一意のアドレスです。MACアドレスは、ネットワークインターフェースカードによって割り当てられ、通常は48ビットの数値で表されます。MACアドレスは、3つの部分に分かれています。
- OUI(Organizationally Unique Identifier)
最初の24ビットは、OUI(Organizationally Unique Identifier)と呼ばれ、ベンダーの識別子です。OUIは、IEEEが管理する一意の番号であり、全てのベンダーに一意のOUIが割り当てられます。 - ベンダー識別子
次の24ビットは、ベンダー識別子と呼ばれ、各ベンダーによって一意に割り当てられた番号です。ベンダー識別子は、OUIによって識別されたベンダーが自由に割り当てることができます。 - デバイス識別子
残りの8ビットは、デバイス識別子と呼ばれ、各デバイスによって一意に割り当てられた番号です。デバイス識別子は、ベンダーによって自由に割り当てることができます。
MACアドレスのOUIによって、デバイスの製造元が特定されます。例えば、00-50-56はVMwareのOUIであり、00-50-56-XX-XX-XXのようなMACアドレスはVMwareの製造元が割り当てたアドレスであることがわかります。このように、MACアドレスのOUIを利用することで、ネットワーク上で動作するデバイスの製造元を判別することができます。
また、MACアドレスは、ネットワークデバイスが通信する際に使用されます。例えば、ネットワークデバイスは、通信相手のMACアドレスを知る必要があります。通信相手のMACアドレスが不明な場合は、ARP(Address Resolution Protocol)を使用して、IPアドレスをMACアドレスに変換することができます。
MACアドレスは、ネットワークの管理にも使用されます。例えば、MACアドレスフィルタリングは、許可されたMACアドレスのみがネットワークに接続することを許可するセキュリティ機能です。また、ネットワークトラフィックを監視する場合にも、MACアドレスを使用して、ネットワーク上で通信しているデバイスを識別することができます。
ただし、MACアドレスはスプーフィング(MACアドレスの偽装)によって、不正なアクセスを行うために使用されることがあります。そのため、MACアドレスだけでセキュリティを確保することはできず、より高度なセキュリティ対策が必要となります。
以下に代表的なベンダ識別子の一部を示します。
- 00-0C-29 : VMware
- 00-50-56 : VMware
- 00-16-3E : Xensource
- 00-1C-14 : VMWare
- 00-23-7D : Cisco Systems, Inc
- 00-17-EE : Motorola
- 00-0D-93 : Cisco Systems, Inc
- 00-14-5A : Nokia
- 00-11-5B : Thomson Telecom Belgium
- 00-1B-21 : Intel Corporate
- 00-90-F5 : Clevo Co.
これらのOUIによって、ネットワークデバイスの製造元を特定することができます。
また、IEEEが公開しているOUIリストには、現在登録されているすべてのOUIが記載されています。OUIリストは、ネットワークエンジニアやセキュリティエキスパートなどの専門家にとって、非常に重要な情報源となっています。
なお、OUIには、ローカルアドレスとグローバルアドレスの2種類があります。グローバルアドレスはIEEEによって管理されており、OUIが一意に割り当てられます。一方、ローカルアドレスはユーザーが自由に割り当てることができます。
最近では、IPv6が普及することで、MACアドレスの重要性は低下してきています。IPv6では、MACアドレスに似たインターフェースIDを使用して、ホストを識別します。ただし、ネットワークデバイスやセキュリティ機器の設定など、MACアドレスが必要な場面はまだまだ存在します。