ヘッダ

ヘッダ

ネットワーク階層では、各階層で使用されるヘッダの種類が異なります。以下に、主要なネットワーク階層で使用されるヘッダの種類を説明します。

  1. 物理層 物理層では、データをビット単位で転送するため、フレームにヘッダが存在しません。
  2. データリンク層 データリンク層では、フレームに以下のようなヘッダが含まれます。
  • フレーム開始識別子(SFD): フレームの開始を示す識別子。
  • 宛先MACアドレス: フレームの宛先となるネットワークインターフェースのMACアドレス。
  • 送信元MACアドレス: フレームの送信元となるネットワークインターフェースのMACアドレス。
  • プロトコルタイプ: 上位層で使用されるプロトコルを示す種類識別子。
  • データ: 上位層で送信されるデータ本体。
  1. ネットワーク層 ネットワーク層では、パケットに以下のようなヘッダが含まれます。
  • バージョン: IPプロトコルのバージョンを示す値。
  • ヘッダ長: IPヘッダの長さを示す値。
  • サービスタイプ: IPパケットのサービスタイプを示す値。
  • パケット全体長: ヘッダとデータを含めたIPパケットの全体長を示す値。
  • 識別子: パケットの識別子。
  • フラグ: IPパケットのフラグ情報を示す値。
  • TTL: パケットの有効期限を示す値。
  • プロトコル: 上位層で使用されるプロトコルを示す値。
  • 送信元IPアドレス: パケットの送信元となるIPアドレス。
  • 宛先IPアドレス: パケットの宛先となるIPアドレス。
  1. トランスポート層 トランスポート層では、セグメントやデータグラムに以下のようなヘッダが含まれます。

TCPヘッダには、以下のような情報が含まれます。

  • 送信元ポート番号
  • 宛先ポート番号
  • シーケンス番号
  • 確認応答番号
  • ヘッダ長、オプションの有無を示すフラグ
  • ウィンドウサイズ
  • チェックサム
  • 緊急ポインタ

UDPヘッダには、以下のような情報が含まれます。

  • 送信元ポート番号
  • 宛先ポート番号
  • データグラム長
  • チェックサム

 最後に、アプリケーション層におけるヘッダについて説明します。アプリケーション層には様々なプロトコルがありますが、代表的なHTTPプロトコルにおけるヘッダには、以下のような情報が含まれます。

HTTPプロトコルにおけるリクエストヘッダには、以下のような情報が含まれます。

  • Accept:クライアントが受け入れ可能なコンテンツタイプ
  • Accept-Encoding:クライアントが受け入れ可能な圧縮方式
  • Accept-Language:クライアントが受け入れ可能な言語
  • Connection:HTTPコネクションの種類
  • Cookie:クライアントからサーバに送信されるCookie
  • Host:リクエストされたリソースのホスト名とポート番号
  • User-Agent:クライアントの情報(ブラウザの種類やバージョンなど)

HTTPプロトコルにおけるレスポンスヘッダには、以下のような情報が含まれます。

  • Content-Type:レスポンスのコンテンツタイプ
  • Content-Length:レスポンスのコンテンツ長
  • Server:サーバの情報(ソフトウェア名やバージョンなど)
  • Set-Cookie:サーバからクライアントに送信されるCookie

 これらのヘッダに含まれる情報は、クライアントとサーバの通信に必要な情報であり、適切に設定されることで通信の効率やセキュリティが向上します。