媒体共有型

媒体共有型

 ネットワークにおいて、複数のデバイスが同じ媒体(ケーブルや空間など)を共有して通信することを媒体共有型といいます。媒体共有型のネットワークは、主に以下の2つに分類されます。

  1. バス型ネットワーク
     バス型ネットワークは、複数のデバイスが1本の媒体(バス)を共有して通信します。バスには、データを送信するための電気信号が流れます。バス上のデータは、全てのデバイスが受信できますが、通信するデバイスは1つだけです。そのため、データの衝突が起きやすく、衝突を検知して再送信する必要があります。また、バス型ネットワークでは、バス上に接続できるデバイス数が限られています。
  2. リング型ネットワーク
     リング型ネットワークは、デバイスを1つのリング状の媒体に接続して通信します。データは、リング上を流れる信号として送信されます。リング上のデータは、全てのデバイスが受信できますが、通信するデバイスは1つだけです。リング上をデータが流れるため、データの衝突は起きません。ただし、リング上に故障が発生すると、ネットワーク全体が停止する可能性があります。

 媒体共有型のネットワークは、比較的単純で低コストなため、小規模なネットワークによく使用されます。ただし、通信が多くなると衝突が増え、ネットワークの性能が低下するため、大規模なネットワークでは利用されなくなってきています。

 媒体共有型のネットワークでは、複数のデバイスが同じ媒体を共有するため、データの衝突が起きることがあります。そのため、媒体アクセス制御が必要です。媒体アクセス制御には、主に以下の2つの方法があります。

  1. CSMA/CD方式
     CSMA/CD (Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection) 方式は、データを送信する前に、媒体上に信号が流れていないことを確認します。すなわち、キャリアセンス (Carrier Sense) を行います。また、データの送信中に衝突が発生した場合は、それを検知して送信を中止し、ランダムな時間を待って再送信します。これを衝突検知 (Collision Detection) といいます。CSMA/CD方式は、バス型ネットワークで使用されます。
  2. トークンパッシング方式
     トークンパッシング方式は、リング型ネットワークで使用されます。データを送信する前に、ネットワーク上を回る特別な信号(トークン)を取得する必要があります。トークンを持っているデバイスだけがデータを送信できます。データが送信されると、トークンは次のデバイスに渡され、次のデバイスがデータを送信するためのトークンを取得できるようになります。トークンパッシング方式は、データの衝突が起きないため、信頼性が高いという利点があります。

 媒体共有型のネットワークは、複数のデバイスが同じ媒体を共有するため、データの衝突が起きることがあります。そのため、媒体アクセス制御が必要です。媒体アクセス制御には、さまざまな方式があり、環境に合わせて適切な方式を選択する必要があります。