データリンク層

データリンク層

 データリンク層は、OSI参照モデルの第2層であり、物理層で転送されるビットストリームをフレームにまとめて、上位層に向けて送信することを担当します。また、フレームの受信側で誤り検出・訂正を行い、上位層に正しいデータを渡すことも行います。

 具体的には、データリンク層ではMACアドレスを使用してフレームの送受信を制御します。MACアドレスは、ネットワーク上の機器に割り当てられた一意の識別子であり、フレームを正しい宛先に配信するために使用されます。

 また、データリンク層は、フロー制御やエラー制御などの機能も提供します。フロー制御は、送信側が受信側が処理できるだけの速度でデータを送信するように制御することで、データの欠落や遅延を防ぐ役割を持ちます。一方、エラー制御は、フレームの誤りを検出し、必要に応じて再送することで、データの正確性を保証します。

 代表的なプロトコルとしては、イーサネットやWi-Fiなどがあります。これらのプロトコルは、フレームのフォーマットや通信手順などを定義しており、データリンク層での正確な通信を可能にしています。

データリンク層には、以下の2つのサブレイヤーがあります。

  1. リンク制御サブレイヤー(LLC: Logical Link Control)
     リンク制御サブレイヤーは、ネットワーク上の異なるデバイス間での通信を制御します。このサブレイヤーでは、フレームの制御情報(制御ビット)やエラー検出のためのチェックサムなどが含まれます。
  2. メディアアクセス制御サブレイヤー(MAC: Media Access Control)
     メディアアクセス制御サブレイヤーは、同じ物理媒体を共有する複数のデバイス間での通信を制御します。このサブレイヤーでは、各デバイスに一意のMACアドレスが割り当てられ、フレームの宛先MACアドレスと送信元MACアドレスが含まれます。

主要な機能

また、データリンク層には以下のような主な機能があります。

  1. フレームの作成
     上位層から受け取ったデータをフレームにまとめます。フレームには、データ本体に加え、送信元・宛先MACアドレス、制御ビット、チェックサムなどが含まれます。
  2. フレームの送信
     フレームを物理層に送信する前に、送信先MACアドレスに基づいて、フレームを送信するポートを特定します。
  3. フレームの受信
     受信したフレームを物理層から受け取り、MACアドレスに基づいて、フレームの宛先が自分自身かどうかを確認します。宛先MACアドレスが自分自身であれば、フレームを上位層に渡します。
  4. フレームのエラー検出・訂正
     フレームの受信時に、チェックサムなどの誤り検出コードを使用して、フレーム内の誤りを検出します。必要に応じて、フレームを再送することで、データの正確性を保証します。

以上が、データリンク層の概要と主要な機能になります。

データリンク層のデバイス

 データリンク層は、ネットワーク上のデータの伝送において、物理層で伝送された信号を論理的な単位であるフレームにまとめ、物理アドレスであるMACアドレスを使ってフレームの送信元と宛先を特定することができます。

 データリンク層のプロトコルとして、イーサネットやトークンリングなどがあります。イーサネットは、広く使用されている有線LANの規格であり、トークンリングはIBMが開発したLAN規格で、トークンという制御フレームを使って複数の端末が順番に通信する方式を採用しています。

また、データリンク層には、以下のようなデバイスがあります。

  1. スイッチングハブ
     スイッチングハブは、フレームを受信し、MACアドレスに基づいてフレームを転送するデバイスです。スイッチングハブを使用することで、複数のデバイス間での通信が効率的に行えます。
  2. ブリッジ
     ブリッジは、複数のLANセグメントを接続するデバイスで、MACアドレスに基づいてフレームを転送します。ブリッジを使用することで、ネットワークの負荷分散や障害発生時の回復などが可能になります。
  3. リピータ
    リピータは、物理層での信号増幅や再生を行うデバイスで、距離の制限があるLANセグメントを接続することができます。

以上が、データリンク層の詳細な説明と主なデバイスになります。

データリンク層の機能

データリンク層には、以下のような機能があります。

  1. フレーミング
     データリンク層は、物理層で伝送された信号を、論理的な単位であるフレームにまとめます。フレームには、送信元・宛先のMACアドレスやエラー検出用のチェックサムなどが含まれます。
  2. アクセス制御
     データリンク層は、複数の端末が同時にデータを送信しようとすると、衝突が発生することがあります。このような衝突を回避するために、データリンク層はアクセス制御を行います。イーサネットでは、CSMA/CDというアクセス制御方式が採用されており、衝突が発生した場合は、ランダムな時間だけ待ってから再送信を行います。
  3. フロー制御
     データリンク層は、受信側のデバイスがフレームを受信できる速度を超えた場合に、送信側のデバイスにフロー制御を行います。フロー制御には、ストップ・アンド・ウェイト方式やスライディングウィンドウ方式などがあります。
  4. エラー検出・訂正
     データリンク層は、フレーム内にエラーがあるかどうかを検出し、必要に応じて訂正する機能があります。代表的なものに、CRC(巡回冗長検査)やパリティチェックなどがあります。

以上が、データリンク層の主な機能になります。