近距離無線通信

近距離無線通信

 近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)は、非接触型の無線通信技術の1つであり、数センチメートルの範囲内での通信が可能です。NFCは、ISO/IEC 18092とECMA-340の規格で定義されており、主にスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス、ICカードやスマートカード、スマートウォッチなどのデバイスに搭載されています。

 NFCは、RFID(Radio Frequency Identification)技術を発展させたものであり、短距離通信を行うための通信プロトコルと周波数帯を定義しています。NFCは、被読み取り側と読み取り側の2つの機器があり、相互に通信を行うことができます。被読み取り側のデバイスは、NFCタグと呼ばれる無線通信用のチップが搭載されているため、電力を必要とせずに通信が可能です。

NFCには、3つのモードがあります。

  1. カードエミュレーションモード:NFC対応端末が、ICカードのように振る舞い、クレジットカードや交通系ICカードなどの情報を格納していることができます。
  2. リーダーモード:NFC対応端末が、NFCタグを読み取り、情報を取得することができます。
  3. ピアツーピアモード:NFC対応端末同士で直接通信することができます。

 NFCは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスに搭載され、スマートウォッチやICカードなどのデバイスでも利用されています。例えば、スマートフォンでNFCを使用すると、タッチ決済やデータ転送などの様々な用途に利用することができます。また、ICカードにもNFCタグが搭載されており、交通系ICカードやクレジットカードなどに利用されています。