緊急ポインタ

緊急ポインタ

 ネットワークにおいて、緊急ポインタとは、TCPプロトコルにおいて通信相手に緊急性の高いデータを送信するために用いられる特別なメカニズムです。

 通常、TCPプロトコルでは、データを送信する際にセグメント単位に分割されて送信されます。緊急ポインタを使用する場合、送信元は通信相手に、緊急性の高いデータが含まれていることを示すURGフラグをセットし、緊急ポインタを指定します。この緊急ポインタは、通常のデータの送信に使用されるシーケンス番号とは異なる番号であり、相手側に緊急性があるデータが含まれていることを示します。

 緊急ポインタを受信した相手側は、緊急性が高いデータを先に処理することができます。TCPでは、通常のデータと緊急性の高いデータを混在させることができるため、緊急ポインタは、リアルタイム性の高いアプリケーションや、通信遅延が許されないアプリケーションにおいて重要な役割を果たしています。

 ただし、緊急ポインタは、誤用される可能性があるため、適切な管理が必要です。また、通信相手が緊急ポインタを受信しなかった場合、緊急性の高いデータが損失する可能性があるため、注意が必要です。