故障木解析

故障木解析

 故障木解析(Fault Tree Analysis、FTA)は、システムや装置の故障原因を特定するために使用される手法の一つです。故障木解析は、事象の原因や影響を構造化して分析することにより、システムの信頼性を向上させることができます。

 故障木解析では、故障の原因となるイベントや要因を特定し、それらをツリー状に構成します。このツリーを故障木と呼びます。故障木は、ルートイベントから始まり、複数のブランチに分かれていき、最終的に故障が発生する要因までたどり着く構造を持ちます。

故障木解析の手順は、以下のようになります。

  1. 対象となるシステムや装置の要件を明確にする。
  2. ルートイベントを定義する。ルートイベントとは、故障の原因となる主要なイベントのことです。
  3. ルートイベントに至るまでのブランチを作成する。各ブランチは、ルートイベントに至るための条件や要因を表します。
  4. 各ブランチにおけるイベントや要因を評価し、故障が発生する確率を算出する。このとき、統計的手法を用いることがあります。
  5. 各ブランチの確率を組み合わせて、故障が発生する全体的な確率を算出する。

 故障木解析は、システムの信頼性向上に役立つ手法であり、特に航空機や原子力発電所などの高信頼性が求められるシステムにおいて広く使用されています。また、複雑なシステムや装置に対しても適用可能であるため、幅広い分野で活用されています。