NFV

NFV

 NFV(Network Functions Virtualization)は、ネットワーク機能を仮想化する技術です。これにより、物理的なネットワーク機器に依存しない、柔軟でスケーラブルなネットワークインフラストラクチャを実現することができます。

 従来のネットワークでは、ネットワーク機能は物理的なハードウェアに依存しており、ハードウェアの変更やアップグレードが必要になると、それに伴ってネットワーク機能も変更やアップグレードする必要がありました。また、物理的なネットワーク機器を管理するためには、専門的な技術や知識が必要でした。

 一方、NFVでは、ネットワーク機能を仮想化することで、物理的なハードウェアに依存しないネットワークインフラストラクチャを実現することができます。NFVでは、ネットワーク機能はソフトウェアで実現され、仮想マシンやコンテナのような仮想環境上で実行されます。これにより、ハードウェアの変更やアップグレードが必要な場合でも、ソフトウェアのみのアップグレードで済ませることができます。また、仮想環境の管理は、従来の物理的なネットワーク機器よりも容易になります。

NFVは、以下のようなメリットを持っています。

  1. 柔軟性:NFVにより、ネットワーク機能を物理的なハードウェアからソフトウェアに移行することで、ネットワークの構成を柔軟に変更することができます。物理的なハードウェアに依存しないため、異なるベンダーの製品を組み合わせることができます。
  2. スケーラビリティ:NFVは、必要に応じてネットワーク機能を追加・削除することができるため、容易にスケールアップ・スケールダウンすることができます。
  3. コスト削減:NFVは、物理的なハードウェアを必要としないため、物理的なハードウェアを購入・保守するコストが削減できます。また、ハードウェアが不要になるため、物理的なスペースも不要になる場合があります。
  4. 効率化:NFVは、ソフトウェアによってネットワーク機能を実現するため、ネットワーク機能のエンジニアリング、開発、展開、運用の効率化を図ることができます。また、一度に多くの仮想マシンを実行できるため、ネットワークの処理能力を高めることができます。
  5. 様々なサービスの提供:NFVにより、さまざまなサービスを提供することができます。例えば、仮想ファイアウォール、仮想ルータ、仮想アプリケーションの提供などです。
  6. 自動化:NFVは、仮想マシンや仮想ネットワークを自動的に設定することができるため、手動での設定作業が不要になります。これにより、ネットワーク管理の自動化を促進することができます。