AS

AS

 AS(Autonomous System)とは、インターネット上でのネットワークの単位を表す用語であり、独自のIPアドレス空間とルーティングポリシーを持つ一つ以上のネットワークを指します。

 ASは、インターネット上での通信を行う際に、異なるネットワーク間の通信経路を制御するために使用されます。ASは、BGP(Border Gateway Protocol)というルーティングプロトコルを使用して、他のASとの接続関係を確立し、インターネット上での通信経路を決定します。

 一つのASには、複数のネットワークやルーターが含まれることがあります。一方、一つのネットワークが複数のASに属することもあります。また、大規模なインターネットサービスプロバイダ(ISP)は、複数のASを運営して、異なる地域やネットワークに接続しています。

 ASは、インターネット上での通信経路を制御するために重要な役割を果たしています。例えば、あるネットワークが特定の地域に接続する場合、そのネットワークの管理者は、地域内の他のネットワークとの接続関係を考慮し、通信経路を選択する必要があります。また、複数のISPがある場合、異なるAS間の通信経路を選択することで、通信品質やコストの最適化を図ることができます。

 ASは、インターネットの基盤となる要素の一つであり、通信インフラストラクチャの設計や運用に関する知識が必要とされます。

 ASは、ISPや企業、大学などの組織が所有するネットワークを表現するために用いられます。各ASは、自律的に運用され、独自のルーティングポリシーに従って、パケットの転送を行います。また、ASは、BGPを使用して、他のASとの接続関係を確立し、ルーティング情報を交換します。

ASの接続関係には、以下のような種類があります。

  • シングルホームAS:単一のISPに接続しているAS。
  • マルチホームAS:複数のISPに接続しているAS。
  • トランジットAS:他のASを通過することができるAS。
  • ピアリングAS:他のASと直接接続しているAS。

 ASは、インターネット上での通信品質やセキュリティにも影響を与えます。特に、ASのルーティングポリシーが不適切である場合、パケットが誤った経路を通過することがあり、通信品質の低下やセキュリティ上の脅威となる可能性があります。そのため、ASの設計や運用には、正確なルーティング情報の維持や、セキュリティ対策の実施などが必要とされます。

 ASは、インターネットの運用において重要な役割を果たす技術であり、通信エンジニアやネットワークアドミニストレーターにとって、理解する必要のある基本的な概念の一つです。