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練習問題ファイルのダウンロード
ファイルは Packet tracer Version 8.2.0 で作成しています。古いバージョンの Packet Tracer では、ファイルを開くことができませんので、最新の Packet Tracer を準備してください。
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管理人のオススメ参考書
トラブル問題03:データリンク層のトラブル②
前提知識
データリンク層の前提知識については、以下のリンク先で解説しています。
・Serialのカプセル化(X.25) | ・Serialのカプセル化(Cisco HDLC) |
・PPPの特徴 | ・PPPの設定(encapsulation ppp) |
・PPP認証(ppp atuthentication pap) | ・PPP認証(ppp atuthentication chap) |
問題
下図を参照してください。PC1とPC2が通信できません。この問題の原因を突き止めて、通信ができるようにトラブルシューティングしてください。なお、R1ルータとR2ルータには、PPPのCHAP認証が設定されています。

データリンク層のトラブルシューティング
PC1とPC2間の通信ができません。トラブルシューティングをして通信ができるようにします。
ステップ1:PC1とPC2のインターフェイスの状態を確認します。
手順01:PC1から、デフォルトゲートウェイであるR1のG0/0 に対して ping を実行します。そして、PC2から、デフォルトゲートウェイであるR2のG0/0に対して ping を実行します。
ping は成功しますか?失敗しますか?
手順02:R1から、R2のS0/0/0 に ping を実行します。
ping は成功しますか?失敗しますか?
手順03:R1で「show int s0/0/0」コマンドを実行します。
インターフェイスをの状態を確認します。データリンク層のカプセル化も確認します。
手順04:R2で「show int s0/0/0」コマンドを実行します。
R2のシークレットパスワードは、「ccna」となっております。
インターフェイスをの状態を確認します。データリンク層のカプセル化も確認します。
R1とR2のSerialリンクのデータリンク層のカプセル化は一致していますか?カプセル化が一致しているのであれば、問題は何であるのかを検討します。
ステップ2:ルータのコンフィグを確認してCHAP認証のパスワードを確認します。
手順01:R1とR2で、「show running-config」コマンドを実行します。
PPPのCHAP認証の設定で、パスワードは、一致していますか?
手順02:R2ルータのCHAP認証のパスワードをR1と同じパスワードに設定します。
ここまでの手順の操作で、問題が解決できたはずです。
動作検証
PPPのネゴシエーションの確認
・R1ルータで「debug ppp negotiation」コマンドを実行します。
R1#debug ppp negotiation
・ネゴシエーションの様子を確認するため、R1ルータのS0/0/0を「shutdoun」させ、「no shutdown」します。
ネゴシエーションの様子が確認できます。
●R1の「debug ppp negotiation」の出力
R1(config)#int s0/0/0
R1(config-if)#shutdown
R1(config-if)#
%LINK-5-CHANGED: Interface Serial0/0/0, changed state to administratively down
Serial0/0/0 PPP: Phase is TERMINATING
Serial0/0/0 LCP: State is Closed
Serial0/0/0 PPP: Phase is DOWN
%LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface Serial0/0/0, changed state to down
R1(config-if)#no shutdown
R1(config-if)#
%LINK-5-CHANGED: Interface Serial0/0/0, changed state to up
Serial0/0/0 PPP: Using default call direction
Serial0/0/0 PPP: Treating connection as a dedicated line
Serial0/0/0 PPP: Phase is ESTABLISHING, Active Open
Serial0/0/0 LCP: State is Open
Serial0/0/0 PPP: Phase is AUTHENTICATING
・R1ルータでデバックを止めます。「undebug all」コマンドを実行します。
R1#undebug all
疎通確認
・PC1からPC2へ ping を行います。

ping は成功します。
解答
設定の解答例は、この問題を解説しているYouTube動画の中で確認してください。