PPPoE(ADSL・FTTH 基本設定 その2)
「PPPoE(ADSL・FTTH 基本設定 その1)」の続きです。引き続き、PPPoE を設定していきます。

Router_Aの設定(続き)
●LAN側インターフェイスの設定
Router_A(config)#interface fastEthernet 0
Router_A(config-if)#description LAN
Router_A(config-if)#ip address 192.168.1.254 255.255.255.0
Router_A(config-if)#ip tcp adjust-mss 1414
Router_A(config-if)#ip nat inside
Router_A(config-if)#no shutdown
MSSのサイズを調整します。
Router_A(config-if)#ip tcp adjust-mss 1414
ルータは、パソコンから送信されてくる MSS を、適正な値に書き換えてやる必要があります。そうしないとパケットが断片化されるからです。
MTU と MSS との関係を図で示すと次のようになります。

ヘッダ | サイズ |
IP ヘッダ | 20バイト |
TCP ヘッダ | 20バイト |
UDPヘッダ | 8バイト |
PPPoEヘッダ | 6バイト |
PPPヘッダ | 2バイト |
MSS = MTU - IPヘッダ - TCPヘッダ = MTU - 40
Windows パソコンは、自動的に「MTU=1500」、「MSS=1460」に設定します。これは、イーサネットで接続されているため、最大フレームサイズが1500となり、そこから TCP/IP ヘッダの標準的な40バイトを引いた値をMSSとしているからです。
しかし、PPPoE を使用する場合、理論的には、「MTU=1492」、「MSS=1452」でなければなりません。また、NTTのFlet'sでは、一般的に「MTU=1454」、「MSS=1414」を指定します。
まとまると、次の表のようになります。
ネットワーク | MTU | MSS |
Ethernet | 1500 | 1460 |
RFC2516(PPPoE) | 1492 | 1452 |
Flet's網(PPPoE) | 1454 | 1414 |
NAT(PAT)の指定には、「Inside」を指定します。NATの詳細については、「NATの概要」からのコンテンツで紹介しています。
Router_A(config-if)#ip nat inside
●Internet側インターフェイスの設定
Internet側のインターフェイスは、ISPからの払い出しでダイナミックに割り当てられるためIPアドレスを設定しません。
Router_A(config)#interface ethernet 0
Router_A(config-if)#description Internet
Router_A(config-if)#pppoe enable
Router_A(config-if)#pppoe-client dial-pool-number 1
Router_A(config-if)#no shutdown
PPPoE を有効にします。
Router_A(config-if)#pppoe enable
物理インタフェースが、PPPoE で利用されるようにします。「dialer pool 1」と対応します。
Router_A(config-if)#pppoe-client dial-pool-number 1
続きの設定は、次の「PPPoE(ADSL・FTTH 基本設定 その3)」で紹介します。