PPPoE(ADSL・FTTH 基本設定 その1)
ここでは、PPPoEの基本設定を紹介していきます。
ネットワークの構成としては、ルータの E0 インタフェースからADSLモデムまたは、ONUを介してNTTのフレッツADSL、B-Flet's 経由で ISP に接続する構成を想定します。

ルータの設定に関して
●接続について
フレッツ網経由でISPに接続するには、ISPから支給されるユーザIDとISP識別子が必要になります。
●インターフェイスのIPアドレスについて
インタネット側のインタフェースのIPアドレスは、ISPから払い出しでダイナミックに割り当てられるためIPアドレスを設定しません。LAN側については、プライベートIPアドレスを使用します。
●NATの設定
LAN側の端末がインターネットに接続できるように、NATの設定を行います。その際、インタネット側にダイナミックに割り当てられるIPアドレスを複数の端末で利用できるようにPATを設定します。
●ルーティングに関して
インターネット向けのルートは、デフォルトルートで処理させます。
●ファイアウォールについて
内部、外部からの通信のフィルタリングを行うために、簡単にファイアウォールの設定を行います。
それでは、Router_Aの設定を行っていきます。
Router_Aの設定
●PPPoE を有効にする
まず、PPPoE を有効にします。
※vpdnコマンドは、IOS12.3以前とIOS12.4では、異なります。ここで、紹介するvpdnコマンドは、IOS12.3以前のものです。入力後、IOS12.4のコマンドに変換されます。
Router_A(config)#vpdn enable
Router_A(config)#vpdn-group PPPOE
Router_A(config-vpdn)#request-dialin
Router_A(config-vpdn-req-in)#protocol pppoe
各コマンドの意味は、次の通りです。
VPDN(Virtual Private Dialup Network)機能を有効にします。CiscoルータのPPPoE機能は、VPDNで提供されます。
Router_A(config)#vpdn enable
VPDNの機能を設定していきます。その際、VPDN機能に名称を付けます。ここでは、「PPPOE」と名づけることにします。
Router_A(config)#vpdn-group PPPOE
PPPoEクライアントとして動作するように設定します。このコマンドを指定することで、PPPoE セッションを確立するようになります。
Router_A(config-vpdn)#request-dialin
VPDN セッションの確立を要求する際にPPPoEを使用するように指定します。
Router_A(config-vpdn-req-in)#protocol pppoe
続きの設定は、次の「PPPoE(ADSL・FTTH 基本設定 その2)」で紹介します。