PPPoEとは
PPPoE(PPP over Ethernet)は、PPP の機能をEthernetを通して利用するために開発されたプロトコルで、RFC 2516として標準化されています。
PPP は、電話回線やISDN回線などのダイヤルアップ接続で、利用者をユーザー名、パスワードのチェックを行なうことができます。
PPPoE は、PPPとは異なり、NIC が持つMACアドレスによって双方のコンピュータを識別し、その間に仮想回線を確立します。
そして、その仮想回線上でPPPパケットをやりとりをして、ユーザ名やパスワードをチェックを行うことができるようになっています。
PPPoEを利用すると、LAN(イーサネット)上からでも、ダイヤルアップ接続(PPP接続)のように、ユーザ認証やIPアドレスの割り当てなどが可能になることから、ADSL や CATV、FTTH などの常時接続サービスにおいて、広く採用されています。
現在のブロードバンド時代を支えている重要な規格であると言えます。
PPPoE と PPP を使って複数のISPを選択する仕組みを図で示すと以下のようになります。

※PPPoEサーバと同じ場所に、認証(RADIUS)サーバを設置して、ユーザ認証を行う場合もあります。
このようにPPPoEを使うことで、通信事業者側は、ユーザーを特定すること可能になり、利用者ごとに帯域幅を調整したり、利用者ごとにセキュリティのチェックが可能になります。
PPPoE は、当初、通信事業者側からPPPoEソフトウェアとして提供されていましたが、Windows XP からは、標準実装されました。また、現在、多くのブロードバンドルータでも、PPPoEがサポートされています。
肝心のCiscoルータでの PPPoE への対応ですが、比較的新しく追加された機能で、所有するルータが PPPoE に対応していないかもしれないので注意して下さい。
PPPoE は、次のルータなどでサポートされています。
- Cisco806、Cisco831(IP)
- Cisco1700シリーズ(IP/ADSL Plus)
- Cisco2500シリーズ(IP Plus)
- Cisco2600シリーズ(IP Plus)
- Cisco3600、Cisco3700シリーズ(IP Plus)
IOS が PPPoE をサポートしているかどうかは、フィーチャーセットだけでなく IOSのバージョンも確認する必要があります。また、IOSのバージョンによってコマンドが異なる場合がありますので注意が必要です。
次の「PPPoE(ADSL・FTTH 基本設定 その1)」では、PPPoEの基本設定を紹介します。