公開鍵暗号方式

公開鍵暗号方式

 公開鍵暗号方式は、暗号化と復号化に異なる鍵を使用する暗号方式であり、秘密鍵と公開鍵のペアを使用します。公開鍵は一般に公開され、誰でも利用できますが、秘密鍵は所有者しか知らないようにする必要があります。

公開鍵暗号方式の基本的な流れは次のとおりです。

  1. 送信者は、データを暗号化する前に、受信者の公開鍵を取得します。
  2. 送信者は、受信者の公開鍵を使用して、データを暗号化します。
  3. 受信者は、自分の秘密鍵を使用して、データを復号化します。

 このように、公開鍵暗号方式では、誰でも暗号化できますが、復号化は秘密鍵が必要です。このため、秘密鍵を漏洩しなければ、第三者からの盗聴や改ざんに対して非常に強力なセキュリティを提供します。

 代表的な公開鍵暗号方式には、RSA、Diffie-Hellman、ECC (Elliptic Curve Cryptography) などがあります。また、公開鍵暗号方式は、電子署名にも利用されます。電子署名では、データの送信者が自分であることを証明するために、データに対して自分の秘密鍵で署名を付けます。受信者は、公開鍵を使用して署名を検証することで、送信者が本当に自分であることを確認することができます。

 一方、公開鍵暗号方式には、暗号化や復号化が秘密鍵に比べて遅いという欠点があります。そのため、暗号化や復号化に高速な対称鍵暗号方式と併用することが多く行われます。具体的には、公開鍵暗号方式で対称鍵を交換し、その後は対称鍵暗号方式で通信を行うことが一般的です。

 公開鍵暗号方式では、送信者が相手の公開鍵を使って暗号化することで、相手だけが復号化できるようにすることができます。このように、公開鍵暗号方式は暗号化と復号化に異なる鍵を使うことで、セキュリティを確保します。

 代表的な公開鍵暗号方式としては、RSA、DSA、ECC(楕円曲線暗号)があります。RSAは現在でも最も一般的に使われている公開鍵暗号方式で、暗号化には相手の公開鍵を、復号化には自分の秘密鍵を使用します。DSAは電子署名によく使われており、ECCは鍵長が短くても同等の安全性を持つことができるため、スマートカードや携帯端末などのリソースの制限がある環境で使われることが多いです。

 公開鍵暗号方式は、安全性が高い反面、暗号化や復号化に多くの計算時間が必要であるため、処理速度が遅くなるという問題があります。そのため、公開鍵暗号方式は、デジタル署名や暗号化による通信など、セキュリティが最優先の場面で使われることが多く、一方で、AESやDESなどの共通鍵暗号方式は、高速であるため、大量のデータを暗号化する場合に適しています。