無停電電源装置

無停電電源装置

 無停電電源装置(UPS)は、電力供給の停止や電圧降下などの電力トラブルが発生した際に、接続された機器に一時的な電力供給を行う装置です。UPSは、主にサーバーやストレージなどの重要なIT機器や、通信機器、医療機器、金融機関のATMなど、停止やデータ損失が許されないシステムに導入されています。

UPSには、主に以下のような種類があります。

  1. スタンドアロン型UPS
     電源が途切れた際に、内蔵されたバッテリーから一時的に電力を供給する形式のUPSです。容量によって、接続できる機器の数や、供給可能な時間が異なります。
  2. ラックマウント型UPS
     ラックマウント型の機器に取り付けることができるタイプのUPSです。スタンドアロン型と同様にバッテリーから一時的に電力を供給しますが、スペースを取らないため、データセンターなどの設備で使用されることが多いです。
  3. インバーター型UPS
     交流(AC)電源を直流(DC)電源に変換し、バッテリーに蓄えた電力を用いて、再度交流電源に変換して供給するUPSです。太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーを利用する場合にも使用されます。

UPSには、入力電力の波形によって以下のように分類されます。

  1. 純正弦波型UPS
    正確な正弦波形状を維持することができるUPSで、デジタル機器や精密機器などに使用されます。
  2. 擬似正弦波型UPS
    正弦波形状に近い交流波形を出力するUPSで、一般的なオフィス機器や家庭用の電化製品に使用されます。
  3. 三角波型UPS
    矩形波や三角波を用いたUPSで、電源が途切れた際に短時間のバッテリー供給を行う場合に使用されます。

 UPSは、停電や電力トラブルの発生時に一時的に電力供給を行うことができるため、重要なシステムにとっては欠かせない装置です。また、UPSには以下のような特徴があります。

  1. 電力トラブルに強い
     UPSは、電力トラブルが発生した際に自動的にバッテリーからの電力供給に切り替わります。そのため、停電や電圧降下などの電力トラブルが発生しても、機器に一時的に電力供給を行うことができます。
  2. 安定した電力供給
     UPSは、内蔵された電源管理機能によって、一定の電力供給を保ちます。そのため、電力トラブルが原因でシステムが異常終了することを防止することができます。
  3. リモート管理機能
     UPSには、リモート監視や管理が可能な機能が備わっている場合があります。これにより、UPSの状態やトラブルをリモートで確認し、遠隔操作によって復旧することができます。
  4. メンテナンス性が高い
     UPSは、定期的なメンテナンスが必要ですが、UPSにはバッテリーの交換や、部品の交換などが容易に行える機能が備わっている場合があります。

 UPSは、システムに欠かせない重要な装置であるため、バッテリーの寿命や故障に注意する必要があります。また、UPSを選定する際には、システムの要件に応じて適切な容量を選定し、入力電力の波形も考慮する必要があります。