パスワードをハッシュ値で保存
パスワードをハッシュ値で保存
パスワードをハッシュ値で保存することは、セキュリティの向上に非常に重要な手法です。以下に、パスワードのハッシュ化について詳しく解説します。
1. ハッシュ関数の選択
- パスワードをハッシュ化するためには、適切なハッシュ関数を選択する必要があります。良いハッシュ関数は、以下の特性を持つべきです。
- 一方向性
ハッシュ値から元のパスワードを計算することができない。 - 衝突耐性
異なる入力に対して同じハッシュ値が生成されない。 - ハッシュ値の一貫性
同じ入力に対しては常に同じハッシュ値が生成される。 - 高速な計算
ハッシュ値の生成が高速であること。
- 一方向性
一般的に使用されるハッシュ関数には、SHA-256、SHA-512、bcrypt、Argon2などがあります。セキュリティ要件に応じて適切なハッシュ関数を選択します。
2. ソルトの使用
- ソルトは、同じパスワードから生成されたハッシュ値が同じであることを防ぎ、レインボーテーブル攻撃などから保護するために使用されます。ソルトはランダムな値であり、ハッシュ値と結合して保存されます。各ユーザーごとに異なるソルトを使用することが一般的です。
3. ストレッチング(ハッシュ化の反復処理)
- ハッシュ値を生成する際、パスワードを一度だけハッシュ化するのではなく、複数回ハッシュ化することが推奨されます。このプロセスをストレッチングと呼びます。ストレッチングにより、ハッシュ化の計算コストが増加し、総当たり攻撃などからの保護が向上します。
4. ハッシュ値の保存
- ハッシュ値は、パスワード自体を保存する代わりにデータベースに保存します。これにより、データベースが侵害されてもパスワードが漏洩するリスクが低減します。また、ソルトとストレッチング回数も同じデータベースに保存されます。
5. ログイン時のハッシュ化
- ユーザーがログインしようとする際に、入力されたパスワードをハッシュ化してデータベース内のハッシュ値と比較します。一致すれば、アクセスを許可します。
ハッシュ化されたパスワードは、元のパスワードを逆算できないため、セキュリティが向上します。ただし、ハッシュ化の際に適切なソルトとストレッチングを使用することが重要です。また、セキュリティの保護を強化するために、定期的なパスワードの変更と強力なパスワードポリシーも実施することが重要です。