マルチAZ:AWS

マルチAZ

 AWSにおけるマルチAZ(Multi-AZ)は、高可用性を実現するためのアーキテクチャの一つです。マルチAZは主にAmazon RDS(Relational Database Service)やAmazon ElastiCacheなどのマネージドサービスで利用されます。

マルチAZの概要と特徴を以下に説明します。

  1. 冗長性と高可用性
     マルチAZでは、アプリケーションのデータベースやキャッシュなどのインフラストラクチャを複数の可用性ゾーン(AZ)に分散します。各AZは物理的に独立したデータセンターであり、障害が発生した場合でも別のAZに自動的にフェールオーバーすることで、アプリケーションの可用性を高めます。これにより、単一のAZに依存するシングルポイントの障害を回避し、サービスの中断を最小限に抑えることができます。
  2. 同期レプリケーション
     マルチAZでは、プライマリ(Primary)とセカンダリ(Secondary)と呼ばれる2つのデータベースまたはキャッシュノードが同期的にデータをレプリケートします。プライマリノードに対する書き込み操作は、同時にセカンダリノードにも反映されます。これにより、プライマリノードが障害やメンテナンスのために停止した場合でも、セカンダリノードが自動的に昇格してサービスを提供することができます。
  3. 自動フェールオーバー
     マルチAZでは、プライマリノードに障害が発生した場合、AWSは自動的にセカンダリノードにトラフィックを切り替えます。フェールオーバーは自動的かつ瞬時に行われ、アプリケーションへの影響を最小限に抑えます。フェールオーバーが完了すると、セカンダリノードが新たなプライマリノードとなり、以降のトラフィックがそちらにルーティングされます。
  4. データの耐久性
     マルチAZでは、データの耐久性も確保されます。データは複数のAZに同期的にレプリケートされるため、一つのAZで障害が発生してもデータは失われることはありません。AWSはデータの安全性を重視し、レプリケーションとバックアップの仕組みを提供しています。

 マルチAZを利用することで、データベースやキャッシュなどのインフラストラクチャの可用性と耐久性が向上し、アプリケーションの信頼性が向上します。障害への対応が自動化されているため、運用の負荷も軽減されます。