フェイルオーバー
フェイルオーバー
AWS(Amazon Web Services)では、フェイルオーバー(Failover)は、システムやサービスが予期せぬ障害や問題が発生した場合に、バックアップや代替のリソースに自動的に切り替わる仕組みを指します。フェイルオーバーは高可用性と冗長性を確保し、サービスの中断を最小限に抑えることができます。
以下に、AWSにおけるフェイルオーバーの主なコンポーネントと手法をいくつか紹介します。
- Elastic Load Balancer(ELB)
AWS ELBは、フェイルオーバーをサポートする重要なコンポーネントです。ELBは、トラフィックを複数のEC2インスタンスやアベイラビリティーゾーンに分散させるロードバランサーです。ELBは自動的にヘルスチェックを行い、異常が検出された場合には正常なリソースにトラフィックを転送します。 - Auto Scaling
Auto Scalingは、EC2インスタンスの数を自動的にスケールさせるためのサービスです。Auto Scalingグループを設定することで、予期しない障害や負荷の増加に対応するために、EC2インスタンスの数を増減させることができます。障害が発生した場合、Auto Scalingグループは障害を受けたインスタンスを自動的に検出し、代替のインスタンスを起動してフェイルオーバーを実現します。 - Amazon RDS Multi-AZ
Amazon RDS(Relational Database Service)は、マネージド型のリレーショナルデータベースサービスです。RDS Multi-AZ機能を使用すると、マスターデータベースと同期したスタンバイデータベースを自動的に作成し、同期を維持します。マスターデータベースに障害が発生した場合、自動的にスタンバイデータベースにフェイルオーバーして処理を継続します。 - Amazon S3 Cross-Region Replication
Amazon S3(Simple Storage Service)は、オブジェクトストレージサービスです。Cross-Region Replication機能を使用すると、データの複製を異なるAWSリージョンに自動的に行うことができます。主要なリージョンで障害が発生した場合でも、フェイルオーバー先のリージョンでデータへのアクセスを維持することができます。
これらはAWSにおけるフェイルオーバーの一部ですが、実際のシステムによって異なるアーキテクチャや手法が必要となる場合もあります。重要なのは、アプリケーションやサービスの特性に合わせて適切なフェイルオーバー戦略を設計し、必要なAWSのサービスを組み合わせて高可用性を確保することです。