IEEE802.1x:EAP-TLS
IEEE802.1x:EAP-TLS
IEEE 802.1x認証におけるEAP-TLS(Extensible Authentication Protocol with Transport Layer Security)は、デジタル証明書を使用してユーザーの認証を行う一つの方式です。EAP-TLSは、セキュアな通信を提供するためにTransport Layer Security(TLS)プロトコルを使用します。
以下に、EAP-TLSの動作と手順を詳しく説明します。
- クライアント認証の要求
アクセスポイント(認証サーバ)は、クライアントに対して認証の要求を送信します。この要求はEAP-Request/Identityとして知られる特別なEAPメッセージです。 - クライアントの応答
クライアントはEAP-Response/Identityメッセージで応答します。このメッセージにはクライアントの識別子(通常はユーザー名)が含まれます。 - サーバ証明書の提供
アクセスポイントは、サーバ証明書をクライアントに提供します。この証明書は公開鍵暗号方式によって署名されており、認証サーバの公開鍵が含まれています。 - クライアント証明書の提供
クライアントは、自身の証明書と対応する秘密鍵を使用して認証サーバに対して自身を証明します。クライアント証明書は公開鍵暗号方式によって署名されており、クライアントの公開鍵が含まれています。 - クライアントの証明書検証
認証サーバはクライアントの証明書を検証し、証明書が信頼できるものであるかを確認します。これには、クライアント証明書の有効期限、署名の検証、証明書チェーンの検証などが含まれます。 - セッション鍵の交換
クライアントと認証サーバは、セッション鍵を交換します。この鍵は対称鍵暗号方式によって暗号化され、セッション中のデータの暗号化や復号に使用されます。 - 認証の完了
認証サーバは、クライアントの認証が成功したことを示すEAP-Successメッセージをアクセスポイントに送信します。これにより、アクセスポイントはクライアントをネットワークにアクセスさせることができます。
EAP-TLSは、強力なセキュリティを提供するために公開鍵暗号方式と証明書に基づいています。クライアントと認証サーバの相互認証、データの暗号化、鍵の交換などが安全に行われるため、ユーザーの身元確認と通信のプライバシー保護を確保することができます。